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所長挨拶

所長挨拶

アミューズメント産業研究所所長 美原融 の写真アミューズメント産業研究所所長 美原融

人間が営む娯楽や遊びのあり方は一国の固有の歴史や文化を反映して形成されており、社会のあり方や成熟度あるいは政策や制度のあり方によっても大きくその内容が異なります。我が国においても、我が国固有の歴史、文化、慣行や伝統の中から遊びやゲームの考え方が構築され、実践され、継承されて、現代に至っています。

一方、技術やツールの発展に伴い、今や現代的な遊びやゲームは情報技術やコンピュータともリンクし、現実世界と仮想空間の中で極めて創造的かつ近代的な知的遊興手段として伝統的な遊びと並行的に存在するという状況にあります。

現代社会の平和、豊かさは、時間的余裕、金銭的余裕をもたらし、人間の遊びへの創造性を限りなく豊かにさせつつあるのが現実でもあるのでしょう。この現実は極めて興味深いのですが、我が国では未だに遊ぶことよりも勉強し、労働することの方が好ましいという倫理観や価値観が強いと言えます。勤労に対するエートスの強さが、遊びやエンターテインメントの価値を意図的に低くしてきたという側面があることも間違いなく、我が国では学問的にもこの分野は未開拓の領域となります。

このゲーミング、アミューズメント、エンターテインメント等人間の娯楽や遊びという営みに着目して、その実態を研究したり、関連する様々な課題(政策、制度、社会的・経済的効果、実務並びにその産業的発展の歴史や現実など)を調査研究の対象としたりするのが大阪商業大学のアミューズメント産業研究所であります。おそらくこの分野に関しては我が国唯一の大学付属研究機関になるといってもよいでしょう。

従来「学ぶ」や「働く」と「遊ぶ」ことは全く逆の概念として捉えられてきました。「遊ぶ、楽しむこと」は実は「学ぶ」ことの反対概念ではないのであって、この研究所は「遊び」を「学び」、「科学する」場所でもあります。大学は「学び」の施設でもありますが、「遊び」も「学び」の対象にすることができます。この研究所はそのためにあるのです。