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地域経済政策専攻カリキュラム

博士前期課程

専修科目群 地域政策研究科目

都市政策論

明石 芳彦 / Akashi Yoshihiko

都市は多数の人々が居住・就労・集積する空間を指す。都市政策は、時々の課題解決だけでなく、魅力ある都市の構築を目指した都市固有の特徴形成や活動に関わる。行政当局は、人々の居住と生活に必要な商業機能や社会サービス(学校、医療、行政等)とさまざまな事業者等の活動基盤条件や都市機能の配置を適切に整備すべきであるし、社会問題解消や都市財政の効率的運営にも対処すべきである。都市政策(地方政府が取り組む事業)論では、居住者の意見をくみ取りながら、都市の将来像を考え、望ましい姿を実現していく方策を学びます。

都市計画論

坂井 信行 / Sakai Nobuyuki

「都市計画」や「まちづくり」から何をイメージしますか? 自分とは関わりがないと思われるかもしれません。しかし、都市の空間やまちの環境は私たちの暮らしのステージであり、また暮らし方を方向づけるものでもあります。将来、様々な立場で社会や身近な地域に貢献できる仕事に関わっていく上でも、まちと私たちの暮らしの関係に目を向けることは非常に重要なことです。本講義では、都市計画やまちづくりの具体的な現場の実例を題材にしながら、まちを自分自身の身近なものとして捉えるためのスタンスや「まちを見る目」を身につけるとともに、シティズンシップ意識を高めます。

産業政策論

宮田 由紀夫 / Miyata Yukio

国の中で、どの産業が就業者数や生産活動の面でさかんか、というのが産業構造である。産業構造は国の発展とともに自然に変化するのだが、それを人為的に変更するのが産業政策である。事例としては、日本の自動車産業とアメリカの航空宇宙産業の発展における政府の役割、企業戦略・努力の役割を考察する。とくに産業でイノベーション(技術革新)がいかに発生するかも理解していただきたい。ミクロ経済学の応用分野だが、数学的知識がなくてもグラフで説明する。

交通政策論

松尾 俊彦 / Matsuo Toshihiko

日本の交通システムは、世界からみても十分に発展したものとなっています。しかし、ここに至るまでには多くの問題がありました。たとえば、自動車の排気ガスを原因とする大気汚染の問題や道路混雑・騒音問題などです。さらには、高速道路建設費用の償還も大きな問題となっており、将来に負担を残すものとなっています。
これから経済的に大きく発展するアジアでは、日本と同じような交通問題を抱えつつあります。そこで、日本と同じ失敗を繰り返さないためにも、日本を例として、交通に関わる諸問題とその対策について学びます。

地域経営論

伊藤 忠通 / Ito Tadamichi

グローバル化、少子高齢化、知識社会化等、社会経済構造の大きな変化により、地域における諸課題は、複雑化かつ多様化しています。地域経営論では、われわれ人間の生活空間としての地域をいかにマネジメントすればよいかについて考察します。私の専門分野である財政学は、経済システム、政治システム、社会システムを結びつける学際的な学問といえます。
課題指向、解決指向をもって地域の諸課題にどのように取り組めばよいか、その方策について検討します。

NPO政策論

初谷 勇 / Hatsutani Isamu

活力ある地域社会を求めて「地方創生」や「共助社会づくり」がうたわれる中、地域政策は、政府や自治体だけでなく地域団体、NPO(民間非営利組織)や企業の緊密な連携・協働により進められるようになっています。NPOや非営利法人は、他のアクターと豊かな関係を築き、見識と力量を備えたパートナーとして信頼を獲得し、公共的課題の設定や解決策の提案、公共サービスの提供に不可欠な存在として成長発展することが期待されています。NPOや公益法人に関し百年に一度の制度改革を経た今、「NPO政策論」は今後の日本と地域社会を考える手がかりとなる科目です。

地域政策特殊講義

初谷 勇 / Hatsutani Isamu

超高齢化や人口減少社会を迎え、「都市」をめぐる制度や地域政策のあり方に対して、これまでにも増して大きな関心が寄せられています。この講義は、都市自治体や企業、市民社会組織など地域政策を担う多彩な実務家を交え、事例研究やディスカッションなどを通じて活きた地域政策を学ぶ場として一般公開で行っています。公共政策学、公共経営学の観点から、理論と実務をつなぎ、地域課題の解決に資する制度設計や政策提言の契機ともなるよう考察を進めます。

専修科目群 地域経済研究科目

地域経済論

西嶋 淳 / Nishijima Atsushi

多様化・複雑化している地域問題に適切に対応するためには、まず問題の本質を的確にとらえることが重要です。地域という空間の存在が資源配分に与える影響について明確化しようとする地域経済学のアプローチは、このような目的のために大変有用です。本講義では、人と地域のかかわりには多様性があることを前提に、地域の概念及び地域の空間構造、地域経済学の基礎、地域政策の基本的な考え方について解説しながら、地域の発展過程や仕組みなどについて考察を深めていきます。

都市経済論

小藤 弘樹 / Kofuji Hiroki

日本の人口の50.2%が三大都市圏(東京圏、名古屋圏、大阪圏)に住み(2015年)、実質国内総生産の55.9%がこの三大都市圏で生み出されています。(2014年度)。その一方で、この三大都市圏の民有宅地面積は全国民有宅地面積の33.1%、国土の1.5%にすぎません。なぜ大半の人々が限られた場所で生活しているのか? そのデメリットは? これらのメリット・デメリットに対する国・地方政府の対応は? 主に第二次世界大戦後の日本の「まち」を取り上げたディスカッションなどを通じて、経済学的観点から「まち」のあり方について考えていきます。

産業論

明石 芳彦 / Akashi Yoshihiko

産業とは同一・類似の製品・サービスを供給する事業者群であり、産業活動は製品やサービスを創造し販売することを言う。人々の所得水準、社会的ニーズ、生産技術、国際競争力などの変化に対応して、各国の産業には盛衰もある。産業の特徴や働きを理解するためには、産業展開の歴史的経緯と背景、産業展開の代表的企業の特徴や行動、産業を取り巻く事業環境、産業の連関性等を考察しなければならない。本講義は、既存産業の外観的説明よりも、産業活動を変化させる要因に力を置くので、研究上の想像力を高めてほしい。

中小企業研究

前田 啓一 / Maeda Keiichi

(1)現代の日本中小企業は高度成長期には想像できなかったような次元の諸問題に直面しています。そのため、この講義はできるだけ実例を通じて、今日の中小企業が抱える困難を具体的に考えていきます。また、必要に応じて、中国や東南アジア各国の中小企業についても講義します。
(2)グローバリゼーションの下での産業発展や企業経営・アジア経済の諸問題の解明のための柔軟な発想力を培う。
(3)国際経済論の視点からも検討を進めていきます。

交通経済論

水谷 淳 / Mizutani Jun

私たちは、通勤や通学のためにほぼ毎日、鉄道・バス・自家用車等の交通手段を利用しています。また、私たちが手にしているほとんどのモノは、貨物として船やトラックによる輸送を経ています。交通は私たちの生活に欠かすことのできない身近なサービスであるが故に、皆さんも交通に対して疑問や意見をそれぞれ持っていることでしょう。たとえば、朝の通勤通学ラッシュや道路渋滞をなくすことは出来ないのか、高い航空運賃は安くならないのか等々。皆さんの疑問について経済学を用いて一緒に考えてみましょう。

グローバル化と中小企業

前田 啓一 / Maeda Keiichi

(1)グローバル経済の時代になって、企業の海外進出がますます加速しています。日本企業(中小企業)は欧米だけでなく、アジア各地で積極的に事業を展開しており、そこでは多くの課題に直面しています。この講義では、できるだけ多くの企業事例を通して、研究を進めていきたいと考えています。
(2)グローバリゼーションの下での産業発展や企業経営・アジア経済の諸問題の解明のための柔軟な発想力を培う。
(3)国際経済や中小企業論の観点から検討を進めていきます。

文化経済論

塩田 眞典 / Shiota Masanori

文化・芸術を狭い美学や文化論の領域で考えるのではなく、固有の作品を生み出した時代・地域・社会の文脈で経済活動との関連で把握するようなアプローチ、研究を行っています。いま世界を見渡すと、急速に経済が発展しつつある地域では立派なオペラハウスが建てられることがよくあります。これはなぜか? 美学や文化論だけでは答えられない課題です。この講義では、こういった課題を文化経済学的アプローチによって解明します。このような研究分野に関心のある方を歓迎します。

地方財政論

伊多波 良雄 / Itaba Yoshio

我々の身近にある警察、消防、ゴミ収集、水道などのサービスは市町村や都道府県が提供しているサービスである。多くの公共事業もこれらの自治体で行われている。これらのサービスが効率的に提供されていないと、自治体の財政は悪化することになる。効率的に提供されるための条件は何なのかを明らかにするのが地方財政論である。また、消費税は国税であるが、なぜ地方税ではないのか? このようにどの税が地方税にふさわしいのかといった問題も扱うのが地方財政論である。

福祉経済論

山内 康弘 / Yamauchi Yasuhiro

福祉と経済はあまり関係性が無いように思うかもしれませんが、経済学がモチベーションとして持っている、資源や生産物の効率配分、公平配分の考えなどは、地域政策を構築するうえで、とても重要な視点と言えます。この講義では、福祉と経済の関係性を、理論や統計などを駆使して、できる限り客観的に把握することを試みます。特に、近年問題となっている介護の問題を積極的に取り上げ、人口減少、超高齢化社会に突入した地域のあるべき姿を、ともに考えていきたいと思います。

地域経済特殊講義

西嶋 淳 / Nishijima Atsushi

地域経済活性化の取り組みの中で、地域間連携への期待が高まっていますが、その効果を十分に引き出すためには個々の地域に競争力が備わっていることが必要です。また、地域が強みを発揮する上では、その地域の人々が地域固有の資源に対する価値観を共有し適切な活用を図ることも重要です。本講義では、地域の生活様式とのかかわりの深い地域固有の文化資源を取りあげ、地域経済との相互関係について考察します。歴史や多様な文化資源のありさまの紹介などを通して認識を深めながら、経済学の適切な応用の方法を学びます。

専修科目群 比較地域研究科目

関西経済研究

生田 真人 / Ikuta Masato

関西は、全国の他の地域に比べると強い個性と独自の歴史性があります。その特徴との歴史性とを踏まえつつ、関西経済の特徴について総合的に詳しく講義します。関西とは大阪・京都・神戸を中心とする大都市圏を主に指しますが、講義では大都市圏のみならず、大都市圏の郊外を含む関西2府4県を考察の対象地域とします。この地域を日本全体の中に位置づけて講義し、さらにこの地域とアジア諸国との関係も検討します。そして授業を通して、関西についての深い理解と広い教養を身につけることを目指します。

関西文化研究

伊木 稔 / Ishigami Satoshi 石上 敏 / Iki Minoru

関西は、日本における経済・文化両面でのルーツであり、先進地域です。その豊かな歴史と地理を、地の利を活かして身近に具体的に学び、他の地域との比較研究も加えて、関西が有する文化資源の特色・魅力とその価値を明らかにしていきます。
さらに、これからの時代における文化と政治・経済との関わりや文化による地域づくりの可能性・展望を探ることにより、都市経営・地域政策研究の大切な柱となる文化的視点と発想力を養います。

中国経済研究

坂田 幹男 / Sakata Mikio

この講義では、「辛亥革命」から中華民国樹立を経て、中華人民共和国が樹立される過程や、中国が計画経済のもとで「社会主義」を建設しようとした時期の経済問題、「改革・開放」後から今日に至るまでの市場経済化の現状などを分析します。中国の歴史・政治・経済に興味のある諸君と一緒に議論しながら知識を深めていきたいと思います。日本と中国の関係は、ともにWin-Winの関係を築くことが一番必要です。そのためにはどうすればいいのかということも考えてみたいと思います。

東アジア地域経済研究

坂田 幹男 / Sakata Mikio

この講義では、成長著しい東アジアの経済発展を、日本との関係を中心に分析してみたいと思います。日本は、これまで東アジアの経済発展にどのような役割を果たしてきたのでしょうか。さらに、ASEANは、はたして「ASEAN共同体」を実現できるのでしょうか。もしできるとすれば、日本はASEANとどのような関係を築いていけばいいのでしょうか。併せて、北東アジアと日本の関係にも目を向けていきたいと思います。

アセアン・南アジア地域経済研究

森澤 惠子 / Morisawa Keiko

本講義では、第一に、アセアンと南アジア経済の最近の著しい経済発展を生み出した歴史的経緯について、これらの地域の独立以降の工業化の特徴ーその発展と挫折、さらなる再挑戦―を軸に講義する。第二にこれらの地域経済の成長を大きく進展させている広域地域経済協力(アセアン経済共同体の成立、南アジア地域の経済協力)の最新の進展状況について講義する。第三に日本とアセアン、南アジアの経済協力の進展が相互の経済発展に大きく寄与している状況について考察し、グローバリゼーションの進展の中で、リージョナリゼーション(広域地域経済協力)も同時に大きく進展している状況について考察する。

グローバル経済論

田淵 太一 / Tabuchi Taichi

政治・経済・軍事における米国の求心力が低下し、世界経済の軸心が米欧日先進諸国から中国をはじめとする新興市場諸国に移行して、「多極化」が進行しています。私は「貿易・貨幣・権力から読み解く世界経済」という視点からこうした世界経済の動向を研究してきました。この講義では、世界経済のダイナミズムを経済と政治の両面から分析し、これまでの経済理論の不十分な点を明らかにしていきます。こうした知識は、経済や経営のさまざまな分野におけるみなさん自身の研究にもきっと役立つだろうと考えています。

比較公共政策論

美原 融 / Mihara Toru

政策とは今ある現実をあるべき姿に変えるための考え方、手法です。限りある財源を用いて、住民に対し様々なサービスを提供したり、公共施設やインフラ社会基盤を整えたりすることも国や地方政府にとっては重要な政策になります。財政負担を縮減しながら、これを実現するためには、公的部門のみでは不可能で、企業やNPO、市民等民間の経営力、資金力、創意工夫等を最大限活用し、多様なあり方を志向することが現代社会の特徴です。この分野に関し、日本やアジアの制度や慣行を比較し、あるべき制度や慣行を講義の中で探ろうと思います。

比較社会思想論

片野 真佐子 / Katano Masako

あなたは考えてから行動しますか? 行動しながら考えますか? 地域問題を考えるには、どちらの方法も有効です。まず、自分の日々の生活習慣や文化体験の中にある自分の感じ方に気づくこと、そして、欧米や東南アジアの国々の人々の行動や生活様式と比べてみること、思想を学ぶことは、そこから始まります。ふだん自分の感じている疑問を出してみましょう。授業はディスカッション形式で進めていきます。そして、必ず、それらを文章化していきます。時には、町に繰り出しましょう。

東アジアの社会と文化

河合 和男 / Kawai Kazuo

東アジアはこれまで輸出志向工業化を通じて急激な経済発展を遂げ、世界経済に占める地位を飛躍的に高めてきました。講義では発展途上国の開発モデルの典型例と目される東アジアが辿ってきた経済発展過程とその特徴、貿易構造の変化などをグローバルな視点から捉え、さらにそれとの関連で東アジアの社会と文化の変容について考察します。なお、テキストは東アジアの全体像の把握に力点が置かれています。講義計画に沿ってテキストを熟読しノート整理することを推奨します。

比較地域特殊講義

閻 和平 / Yan Heping

この授業はオムニバス(omnibus)形式の講義です。2人の講師が異なる専門視点(都市・地域経済学、女性学)から、今現在の中国経済・社会の課題を説きなおす授業です。具体的には、経済については土地・住宅制度の変革から生じた中国社会の変容、社会についてはジェンダーからみた中国の女性をテーマにしています。中国に興味があるが、どこからどのように研究着手すればよいか、迷っている人に、リアルな中国実態を見せるとともに、比較地域研究を進める上で参考となることを試みています。

地域研究分析手法基礎科目群

マクロ経済分析

塩田 眞典 / Shiota Masanori

マクロ経済学はGDP、消費、投資、貯蓄など集計された様々な変数間の因果関係を、シンプルな数理モデルを使って分析します。その作業を通して、経済成長や景気変動を引き起こす原因を解明し、さらには失業問題、インフレーション、貧富の格差といった様々なマクロ経済上の課題を解決する方法を探ります。マクロ経済学を学ぶことによって、われわれは一国の経済を大局的視野から捉えることができるようになり、そのことによって、政府による様々な経済政策の意図を見抜き、その効果の程を予測できるようになります。

応用ミクロ経済論

山内 康弘 / Yamauchi Yasuhiro

ミクロ経済学は、経済主体の最小単位といえる「家計」、「企業」、そして、それらが経済的な取引を行う「市場」を分析対象とする、経済学のコアとなる科目です。よって、現実の経済問題を解明するうえで非常に有効な理論的武器になるといえます。また、講義名に「応用」という文字がついており臆する人もいるかもしれませんが、現実の経済問題の事例を積極的に取り上げ、理論と活用例の融合を常に図りながら、分かり易く講義を進めていきたいと思います。

応用社会調査論

宍戸 邦章 / Shishido Kuniaki

本講義では、大量データをパソコンで処理する方法と、その背景にあるロジックを学びます。皆さんが立てた仮説に基づいて、日本人の意識や行動に関する個票データを実際に分析し、レポートをまとめていただきます。データ分析の講習会やマニュアル本は沢山存在しますが、そういうものだけではデータ分析の力は身に付きません。自分でデータを分析し、論文を書き、批判されることが大事です。社会科学における事実確認の方法論も自然科学のそれと基本的には同じで、いかに「他人を納得させる証拠を適切に提示できるか」にかかっています。

※この他、地域経済政策専攻では、次の科目も開設しています。詳しくはお問い合わせください。
[地域政策論、環境経済論、地域情報システム論]