地域経済政策専攻とは? | 教員対談 | 大阪商業大学 大学院

教員対談

地域経済政策専攻とは?

地域経済政策専攻とは?

データで見える地域の今。調査で紐解く日本の歴史。

山内:私は介護政策を専門にしていますが、今後、少子高齢化が進み、財政にも限りがある中で、いかに生産的に介護政策を行っていくかを実証的に研究しています。今、1700余りの地方自治体がありますが、横断的にデータを使って分析をする、応用計量経済学の手法をメインにしています。

加藤:今、どのような問題を研究されているのですか?

山内:自治体には、認知症の高齢者を早期発見して対処する、初期集中チームというのがありますが、地域ごとに実態にバラつきがあるんですね。早い時期から稼働しているところや、未だに未整備のところなど。その原因をサバイバル分析と呼ばれる手法で計量的に分析をすると、人口が少ない、財政的に厳しいという小規模の自治体が取り残されていることが統計として出ています。介護や医療の政策は地域差がないほうが望ましいと思いますので、そこに課題が見えてきます。

加藤:私は日本経済史を専門にしていますが、中でも貨幣史をメインに研究しています。江戸時代には幕府によって金貨や銀貨が発行されていますが、それ以外にもさまざまな紙幣が存在していました。

山内:江戸時代から紙幣が使われていたのですか?

加藤:日本での紙幣の始まりは1610年代です。伊勢商人が民間紙幣として発行し始め、今の大阪、奈良へと広まっていきました。その影響を受けて、藩が発行する「藩札」も後に出てきます。

山内:当時はさまざまな通貨が、重層的に流通していたんですね。

加藤:村や町、商人のレベルでも、「私札」と呼ばれる紙幣が出ていました。現物や目録、図録でモノとしては把握できますが、どうしてそれが発行されたのか、流通したのかはわからないので、古文書を調査したり、本大学院の商業史博物館を始め、さまざまな地域の博物館も調査します。

山内:幕府の硬貨だけではなく、なぜ私札が必要だったのでしょうか?

加藤:幕府は中央政権ですが、全国に通貨を行き渡らせる役割を担っていなかったんですね。地域が紙幣で不足する部分を補っていたとも考えられます。

山内:私のゼミ生で、現在、中国の自治体が発行する介護バウチャーについて研究している学生がいます。バウチャーはお金の代わりをする、自治体が発行するサービス券のようなもので、それを使うと介護サービスを安価で提供してもらえます。

加藤:現金ではなく、バウチャーで支給するのは、使用用途を限定するためですか?

山内:それもありますが、現金と違いバウチャーだと補助金の受給者を限定しやすいのだと思います。

加藤:中国と日本の介護事情は、異なる部分が多そうですね。

山内:中国は最近、介護保険制度の試験的導入が始まったばかりです。中国は国土が広いので、一律の介護保険制度が難しいんですね。そのため、介護バウチャーが活用されてきたのだと思います。日本でも数少ないですが、17自治体で介護バウチャーが採用されています。住宅の改修や福祉機器の購入など、介護保険では担えないニーズを拾うために使われているようです。今後、厚労省にもヒアリングを行い、日本と中国との比較の視点も入れながら介護保険制度とバウチャーの役割をまとめられたら面白いよね、とゼミ生とは話をしています。

さまざまな視点の融合から多様性のある人材を育む。

加藤:本専攻では、広範囲な視点からアプローチできるのが魅力の一つですね。地域について歴史や文化から掘り下げたり、データや実証研究を通して現実の問題に取り組んだり、ベクトルが多彩な点が面白いです。本専攻であれば、学生が研究したいさまざまなテーマに、フットワーク軽く対応できるのではないでしょうか。

山内:今教えているゼミ生は経済学部出身ですが、違うフィールドから入っていただいても結構です。私自身、学部は外国語学部で、経済学は修士から本格的に勉強し始めました。基礎能力を身につけたいのであれば研究生制度がありますので、まずはそこから学んでいただくのも良いと思います。

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