ドラフト指名選⼿特別対談

時にはライバル、時には共にチームを支える仲間
これからは共にプロの道へ

Profile2023年12月取材時

  • 上田 大河さん
    公共学部 公共学科4年
    (大阪商業大学高等学校出身)
    埼玉西武ライオンズ2位指名

  • 髙 太一さん
    公共学部 公共学科4年
    (広陵高等学校出身)
    広島東洋カープ2位指名

大商大硬式野球部入部のきっかけと4年間を振り返った感想をお願いします。

上田 富山監督に初めてお会いし、握手した瞬間に大商大進学への気持ちが固まりました。入部してから3年間は自分のことが中心、個人タイトルを狙うことばかり考えていたように思います。4年次でチームのキャプテンを担うようになって考えは一転。チーム優先に変わり、プレッシャーや責任が大きくのしかかってきた1年でした。その結果、自分自身の成長が見られたと感じていますし、視野が広がりました。
髙 広島の広陵高校からスポーツ推薦で大商大に進学しました。大商大硬式野球部は粘り強いチームで、ピンチになっても前に押し進んでいくメンタルが強みだと思います。私自身も失敗や挫折を繰り返し、辛く感じたこともたくさんありましたが、この4年間で精神面もしっかり鍛えられました。4年次にはけがで離脱した経験から「投げられる幸せ」を改めて実感し、気持ちを前向きに切り替えられるようになりました。

大学4年間で一番印象に残っていることは何ですか?

上田 一番印象深いのは、キャプテンとして迎えた2023年度関西六大学の春と秋のリーグ戦ですね。前年度の春秋優勝という実績を受け継いで、「大商大一強」と言われるにふさわしい結果が必要でした。春も秋も優勝決定戦まで接戦が続き、特に秋季リーグ戦は1戦目で敗戦、2戦目は負けられないという追い込まれた状況から2連勝で逆転優勝。4季連続優勝を達成することができました。最高学年としての意地とプライドもありますし、髙と二人で投げ勝って優勝できたことは4年間の努力が実った試合でした。
髙 私は、2022年度の明治神宮大会です。この大会では毎年「ベスト8の壁」があって準々決勝敗退が多かったのですが、この年はサヨナラ勝ちでベスト4に進出。すごくうれしくて、当時の感動は今でも忘れません。点を取られて取って、追いつき追いつかれの繰り返し。最後は同点からのスクイズでサヨナラ勝ち。ミスをしてはいけない場面で、ミスをしなかったことが勝因だったと思います。この粘り勝ちというのがとても大商大らしい結果でした。

ご自身の強みを教えてください。

髙 ストレートが武器です。速さや質の良さだけではなく、コースの組み立てにも自信があるので、左バッター、右バッターに関係なく、インコース攻めを中心とした組み立てができれば、自分のさらなる武器につながると思っています。
上田 私は4年間けがなく過ごせたタフさです。スポーツマンにとって故障歴がないのは自慢できること。体の強さは自身の長所だと思っています。強さがあってこそ、ピンチのときでもギアを上げることができますし。髙が怪我で2023年度の関西地区選手権に出場できず、私がフル稼働できたのも、この強さのおかげです。
髙 私が出場できなかった期間、上田には無理をさせてしまいました。今年度は、けがが多かったのは事実。けがをすれば、どんなに野球が上手でも意味がなくなってしまうので、柔軟性を鍛えたり、普段の生活や食事でも意識したり、心がけるようにしています。

お互いのことをどう思っていますか?

上田 入部最初は特に何も思ってなかったです。2年次以降「右の上田、左の髙」と言われるようになった頃には、「このままだと抜かれる」という危機感を感じるようになりました。
髙 入部当初、先輩から「この学年で実力があるのは上田しかいない」と言われていました。同学年の部員はみんな「上田に追いつけ追い越せ」を合言葉に、切磋琢磨して練習に励みました。自分たちのレベルが上がらないと、上田もこれ以上成長できなくなる、そんな思いもありました。その後、「右の上田、左の髙」と言ってもらえるようになったことでライバル心が生まれ、「上田の個人タイトルは自分がとる!」と思ったこともありました。
上田 4年次になると「自分たち二人でチームを勝たせるぞ」という雰囲気に自然となっていきました。髙がいれば「あとは頼んだぞ」と安心して投げられ、チームの勝ちにもつながりました。
髙 私には「上田にどれだけ楽をさせられるか」を考えて試合に臨んでいました。上田を休ませることができるのは自分しかいない、自分がチームを支えて優勝に導きたいという気持ちでした。4年間を振り返ってみると上田は常に私の前にいたと思います。追いつけなかったですね。

プロの世界が待っています。目標をお聞かせください。

上田 ドラフトで名前を呼んでいただいたときは、本当にうれしかったです。これがスタートでゴールじゃない、一つ階段を登れたかなという心境です。1年目ということに関係なく、すぐにでも一軍に定着して、ローテーションに入れるピッチャーになりたいと思っています。乗り遅れずスタートダッシュできるように準備し、一軍の舞台で投げている自分を想像しながら、練習に励みます。
髙 ドラフトを待っている間すごく緊張したので、指名されてホッとした気持ちと、うれしいという気持ちが混じった不思議な気持ちでした。私は、かつて広島東洋カープで活躍した津田恒美投手のように、記憶に残る愛される選手になるのが目標です。上田とはリーグが離れましたが、対戦する機会があれば、マツダスタジアムでバッターとして上田と勝負したいですね。
上田 そのときは、自分が絶対に抑えます!