フィールドワークゼミナール
PICK UP! 加藤ゼミナール
2021年11月取材時
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加藤 司教授
商学科 -
髙田 純さん
経営学科 3年 -
田邊 陽一郎さん
経営学科 3年 -
藤中 麻由さん
商学科 3年 -
波多野 侑馬さん
公共学科 3年
加藤ゼミナールへの参加を決めた理由は?
髙田 私はもともとイベントの企画や運営に挑戦してみたいと思っていました。先輩から加藤ゼミの話を聞いて、自分のやりたいことにぴったりだと感じて参加しました。
波多野 私は公共学科生なので、加藤ゼミの「マーケティング思考」は少し分野が違うかなと初めは思っていたのですが、先輩方の活動報告を聞いて、マーケティングが自分の専門である公共学にも活用できるのではと思ったのがきっかけです。学んでみて、マーケティングは経済や商業だけでなく、公共の活動にも生かせると身をもって感じました。
藤中 私は商品の企画開発に関心があり、マーケティングを学びたいと考えていました。ただ、座学で知識は学べますが、それを実践する場はなかなかありません。でも加藤ゼミでは、教室を飛び出し、座学で学んだマーケティング思考を実践の場で応用できる点に惹かれて、参加を希望しました。
田邊 フィールドワークゼミナールで商業や経営を実践的に学びたいと考えて、説明会に参加しました。どのゼミも魅力的でしたが、最終的には加藤先生の下で学びたいと思えたことが決め手になりました。加藤先生は自由に活動をさせてくれて、逆にそれが不安になる時もあるのですが、それ以上に得られる経験知が多いと感じます。
加藤 私のスタンスは基本的に放任主義です。学生には自由にいろいろなことに挑戦してほしいと考えています。社会へ出たら失敗がしにくくなってしまうので、いくらでも失敗できる大学生のうちに、チャレンジと失敗をたくさん繰り返して成長してほしいのです。そのチャレンジの場を提供するのが私の役割だと思っています。
加藤ゼミナールの活動内容を教えてください。
髙田 「マーケティング×地域活性化」をテーマに、大阪商業大学のある河内小阪周辺の地域を活性化するイベントを行っています。書籍やビジネスの事例からマーケティングについて学び、得た知識をイベント実施の際に活かすという形で活動しています。
加藤 今は「こーばへ行こう!」という、東大阪の中小企業の工場を開放して、そのモノづくりの様子を地域住民に見てもらったり体験してもらったりするイベントの開催へ向けて動いています。工場だけではなく、地域の小売店や飲食店にも出店してもらって、工場だけにとどまらない地域活性化を目指しています。
波多野 新型コロナウイルスの影響で学外へ出ることができず、これまでは本を読んでマーケティングを学んだり、講義を聞いたり、インプットの時間が多かったので、数か月前にイベントへ向けて動き出してからは、わからないことだらけです。ただ、チームで協力しながらアポイントメントを取ったり、企業の方とお話したり、手探りながら良い経験ができていると実感しています。
田邊
イベントにどれだけの人が来るのかや、予算がどのくらいで利益がどうなるのかなど、座学でマーケティングを学ぶだけでは経験できないような、具体的な部分まで考えることができていると思います。
加藤 今回のイベントは、工場のやりたいこと、実現したいことを私たちがサポートするという形で進めています。工場の人がやりたいことをヒアリングして、それを議論しながら進めていく形式です。もちろんゼロから立ち上げるプロジェクトもあります。藤中さんはグッズの企画を経験しましたね。
藤中 はい。加藤ゼミで制作している『Hey Siri、知ってる?』という河内小阪の地域情報誌の特典グッズの企画・開発に携わりました。コロナ禍で外出できない中で、読書の需要が高まっている点に着目し、栞を作ることに決めました。初めはネット上で購入する予定でしたが、先生のアドバイスもあって、東大阪の歴史ある河内木綿という素材を使った栞を手作りすることに。河内木綿の工場へ行って、材料を仕入れたり栞の作り方を教わったりもしました。『Hey Siri、知ってる?』は地域ではまだまだ浸透しておらず、河内木綿も歴史ある伝統工芸であるものの、あまり知られていないので、地域の課題に多面的に貢献できるグッズを作ることができたと思います。
ゼミナールでの活動を通して身についたことは?
髙田 自分の頭にあるアイディアをわかりやすく相手に伝えることや、他の人から出てきた意見をまとめること、まとまった意見を実行すること、それぞれのフェーズに難しさがあると実感しました。しかし、それぞれの段階を経験するにつれて、人の意見をしっかり聞くという基本的なところから、何かを作り上げるときの協調性を学びました。特に自分の思っていることを相手に伝えるときは、感情的にならずに端的に伝えることができるようになったと思います。
波多野 マーケティング思考がしっかり身についていると感じます。例えば、消費者はモノそのものではなくて、モノに付随する価値や経験を求めているということを本で学びました。そのうえで、売り手側としてゼミ活動を進める中で、まさにその消費者の気持ちを実践的に学ぶことができました。座学で学んだことをアウトプットする機会がたくさんあるからこそ成長できていると思います。一般的なゼミナールでは一方的に知識を得ることが多いと思いますが、アウトプットできるという点が加藤ゼミの特徴であり魅力です。
田邊 私は、いろいろな視点を学べたと感じています。さまざまな人と関われるというのはもちろん、消費者だけでなく生産者側の視点も学ぶことができています。消費者はなぜこの商品を買ってくれるんだろうといった、日常生活や一般的な学生生活では知ることのできない、社会のリアルな側面、具体的な部分を学んでいます。「こーばへ行こう!」の活動は現在進行中ですが、これからもさまざまな気づきがあるのだろうなと思うと楽しみですね。
藤中 今、「こーばへ行こう!」の準備を進める中で、工場や出店するお店の方々とやり取りする機会が多くあります。工場の方々は仕事の一環としてイベントを実施されていますし、お店も営業時間を削ってイベントに参加しています。私たちは学生なので、社会人としての視点を完全に理解することはできないのですが、できるだけ寄り添うよう心がけています。このイベントをどのようなものにしたいのかを工場の方からしっかり聞いて、それをわかりやすく文書にしてお店の方に伝えるなど、信頼してもらえるよう工夫しています。大学生ながらこのような経験ができるというのは非常に貴重で、大きな糧になると思います。
加藤 藤中さんが言ってくれましたが、お店の方々にとっては、商品が売れるかどうかに自分たちの生活がかかっています。これを意識して取り組むことは非常に重要です。マーケティングには、売れるかどうかわからないリスクも当然あります。そのリスクを想定して考えることがマーケティング思考には欠かせません。事前に情報を集めてどのようなリスクがあるのかを考えておくことで、少しでもうまくいくように計画を立てる。実際のイベントを実行する中で、マーケティング思考の大事な部分も理解して、動いてくれているんだなと学生には感心する日々です。
高校生にメッセージをお願いします。
髙田 加藤ゼミは自分の個性を活かせるので、今まであまり自分らしさを出せていないと感じている方にはぜひおすすめしたいです。ビジネスやイベント企画などを客観的に学ぶだけでなく、体験しながら当事者として学ぶことができるので、そのような活動に関心がある方にも参加していただきたいです。また、私は部活にも所属していて、ゼミの活動に参加できないこともあるのですが、仲間のゼミ生が助けてくれるので、他の活動とゼミを両立したい方にとっては、とても心強い環境だと思います。
田邊 何かに挑戦してみたいけどできていない人や、何かを成し遂げてみたいという想いがある方にはぜひ加藤ゼミに来てほしいです。マーケティングに関心はなくても、社会の構造やイベント企画のプロセスなど、加藤ゼミの活動で学べることはたくさんあると思います。大学で自分を変えたい、変わりたいと思っている人におすすめです。
波多野 一歩踏み出すチャンスを与えてくれるのが加藤ゼミです。「こーばへ行こう!」というイベントも最初の土台は先生が作ってくれて、あとは自分たちで考えながら作っています。普通の大学生では経験できないことに挑戦できるので、大学で一歩踏み出してみたいけどその勇気が出ない人におすすめしたいです。
加藤 私がいつも学生たちに伝えるのは、社会に出てからも「こんな時に〇〇さんがいてくれたらな」と言ってもらえる人になってほしいということです。つまり、人との信頼関係と、それに応えられるスキルを持った人材になってほしいのです。本日、この機会に改めてゼミ生と意見交換ができて、私の期待以上に成長してくれていると再認識しました。これからもさまざまなことに、思う存分自由に挑戦し、成長していってもらいたいと思います。