フィールドワークゼミナール

PICK UP! 宍戸ゼミナール

Profile2022年12月取材時

  • 宍戸 邦章教授
    公共学科

  • 稲福 勇輝さん
    公共学科 4年

  • 福家 静菜さん
    公共学科 4年

  • 茨 直輝さん
    公共学科 4年

  • 中尾 真尋さん
    経営学科 3年

  • 前田 芙伽さん
    経営学科 3年

  • 松尾 有芽さん
    経営学科 2年

  • 桑村 優一さん
    経営学科 2年

宍戸ゼミナールに所属を決めた理由は?

稲福 1年次の時に宍戸先生の「公共学」や「社会学概論」の授業を受けていて、講義内容の面白さと先生の人柄に惹かれたのがきっかけです。また学外での活動も多いフィールドワークゼミナールなら、学生生活をより一層充実させることができるのではと思い、このゼミナールを選びました。
中尾 以前から人前で積極的に行動したりすることが苦手だったので、学内のグループワークや学外との関わりが多いフィールドワークゼミナールを通して自分を変えたいと考え、思い切って挑戦しました。
福家 私は高校生の時から子ども達の職業体験や高齢者向けのマラソン大会などのボランティア活動に参加していました。大学1年次のフィールドワークゼミナール中間報告会で、子どもや高齢者をサポートしている宍戸ゼミナールの活動内容を知り、参加を決めました。
宍戸 近年、高校でも総合学習やアクティブラーニングの系統で地域活性や少子高齢化について学ぶ機会が増えてきたようなので、この分野に興味を持ってもらえる学生が増えていることはとても嬉しいです。

宍戸ゼミナールの活動内容を教えてください

宍戸 当ゼミナールでは「少子高齢化とまちづくり」というテーマで研究を進めています。東大阪市をフィールドにして「アフターコロナの地域行事復活」「子どもの居場所づくり」「高齢者健康化計画」という3つのプロジェクトに分かれて、グループごとにNPOやボランティア団体、行政、民間企業等と連携しながら学生が主体になって企画立案から実施まで担当しています。皆さんはこれまでどんなプロジェクトに携わっていましたか?
茨 地域活性化活動の一環で、地域の子どもたちに向けたクリスマス会の企画・運営をしたり、4年次では高齢者の体力測定を行うサロンの運営でリーダーを務めたりしました。体力測定に参加してくださった方の中には耳が聞こえにくい方もいらっしゃったので、はっきり話すことと思いやりを持って接することを意識しました。

稲福 私も茨さんと一緒にクリスマス会の企画・運営に参加しました。小学校の体育館を借りてクイズコーナーやスライム作成などを企画しましたが、子どもたちのためにマニュアルを作成するなど、分かりやすく楽しんでもらえるよう工夫しました。
中尾 私たちのグループは高齢者健康化計画のプロジェクトを担当しました。有名なアニメソングに合わせてお年寄りの方が座ってできる健康体操を考え、わかりやすい動画を作って一緒に見ながら体操を実施しました。この健康体操は、どんな内容なら高齢者でも実施できるかというところから皆で案を出し合って作成しました。
前田 私は夏休みの子どもの居場所づくりとしてサマースクールを企画しました。勉強のためのテキストを作成するだけではなく、リサイクル品で作った射的などの娯楽も用意して、子どもたちに楽しんでもらえるよう工夫をしました。他には東大阪の高齢者の方々に認知症について学んでもらったり、片足立ちで体力を測定して、転倒リスクなどをお知らせしたりするプロジェクトに参加していました。

桑村 前田さんと違う地域で夏休みの子どもの居場所づくりに取り組みました。私たちが担当した地域では公民館を長時間使用することができなかったので、YouTubeを利用したオンデマンドの取り組みにも挑戦しました。SDGsに関するクイズと、リサイクル品を活用した射的鉄砲の作成動画を自分たちで企画・作成し、事前に見て楽しんでもらえるようにしました。当日は用意したゲームを子どもたちが楽しんでくれて、喜んでもらえたことがとても嬉しかったです。
松尾 過去2年間子ども向けの行事が開催できていないという地域の方から、何かできないかと私たちにご相談を頂き、スタンプラリー形式のゲーム大会を企画・実施しました。開催までに市役所・子ども会・NPO法人・商店街・企業の方々と会議を重ね、話し合って内容を決めました。ゲームは学生による発案で7種類用意したのですが、子どもたちに上手く回ってもらうための会場のセッティングや広さの確認などに気を使いました。企画立案は比較的楽にできたのですが、実際に運営する際の段取りや準備はとても大変だということを学びました。

福家 防災についての子ども向けサマースクールを企画・実施したり、高齢者向けのスマホ教室やオンラインサロンを開催したりしました。オンラインで高齢者の方と繋がって、クイズなどを皆で解きながらコミュニケーションを図りました。世代が違う子どもたちや高齢者の方は何が好きなのか、どうすれば楽しんでもらえるかを考えるのは難しかったですが、皆さんからご好評を頂いて達成感を味わうことができました。
宍戸 当ゼミナールでは、学生が主体になって動いてもらいたいと考えています。テーマという枠組みを私が提示することはありますが、企画や実施方法を考えるのはあくまで学生。準備や段取りまで全て自分たちでやってもらっています。学生たちに自ら動く力を身につけてもらうために、私がやり方を指示するのではなく、必要なときにバックアップしていくという姿勢でプロジェクトを見守っています。

宍戸ゼミナールの活動でどのような成長ができましたか?

茨 チームで行動することが多いため、意見をまとめる力、発信する力、聞く力が自然に身についたと感じています。また、学外での活動では運営を行っている企業や役所の方と関わる場面が多くあったので、応対方法もとても勉強になりました。
中尾 私はこれまで人前で積極的に発言したり行動したりすることが苦手だったのですが、フィールドワークゼミナールでプレゼンテーションの経験を重ねるうちに緊張しなくなりました。またグループワークで班長を経験し、メンバーをまとめながら役割をこなしたことで積極性が身につきました。
福家 私も中尾さんと同じようにリーダーを経験し、自分から積極的に物事に取り組めるようになりました。また、子どもや高齢者の話に耳を傾けたり、その人の気持ちになって考えたりすることを通して協調性も身につきました。

宍戸 積極性や協調性が身についたという感想はとても嬉しいですね。企業の採用担当者から、就職活動の中でのグループディスカッションやグループワークの際に学生があまり発言しないという話を聞いたことがあるのですが、そういった場面で発言するにはやはり慣れが必要です。フィールドワークゼミナールではグループワークが頻繁に行われるので発言を求められる機会も多く、また企画を実施するための準備や段取りなど周りと協力していく場面でも、自然とコミュニケーション能力を身につけることができます。

フィールドワークゼミナールの魅力を教えてください。

茨 座学だけで卒業論文を書く一般のゼミナールと比べて、社会人の方と関わってアドバイスをいただくことができるのはフィールドワークゼミナールの大きな魅力です。私はフィールドワークゼミナールを通して実際に企業の方とやり取りした経験があることを、就職活動の面接でアピールすることができました。
福家 学外との関わりを多く持てるゼミナールなので、どんどん積極的に参加してもらいたいです。子どもと高齢者が好きで、直面する課題に取り組みたい、人のためになりたいと思っている人にぜひ参加してもらいたいと思います。コミュニケーション能力に自信がなくても、成長できる場があるので安心して挑戦してください。

松尾 企画を実行するための準備は大変ですが、達成感を感じたい人にぜひ入ってもらいたいです。普段生活している中では関わることがない人たちと触れ合えるので、このゼミナールを通してでないと得られないコミュニケーション能力を身につけることができたと思います。
宍戸 実は私は毎年、上級生が卒業したらゼミナールが回らないのではと心配するのですが、私の知らないうちに下級生の皆さんが活動を通して大きく成長してくれているので、その心配はいつも杞憂に終わります。最初は静かな学生が多い学年も、回を重ねるごとに活気が出てきて意見を言い合うことができていますし、役割を果たすために自分たちで計画を立てて行動できています。これから社会で働く際にも、誰かの指示を待つのではなく自分で考えて動ける人になってもらい、活躍してもらいたいと願っています。