TOPインタビュー
経営者として挑戦する姿勢を崩さず、
モノと心を包む商品をお客様に届けます。
川上産業株式会社
代表取締役 お客様係社長
安永 圭佑さん
商経学部経済学科 2003年卒
(天理高等学校出身)
1968年に創業。緩衝材や農業資材や建築資材など空気を活用した商品づくりを行う。代表商品・プチプチ®は、同業界の約60%のシェアを誇る。
「喜び」を創造することのやりがいを
社員全員で共有し、形にしていく
会社のトップに立つということは少しも考えたことはありませんでしたが、入社して10年が経った頃に一つの転機を迎えました。営業部から製造部へ異動になり、同じ会社の中でも部門が違えば環境が全く異なることを実感。製造現場にはお客様の声が届いておらず、一人ひとりのスキルが十分に発揮されていない点も課題に感じ、社員の意識を改革する方法を模索していました。工場長を任されていた間は積極的に社員とコミュニケーションを図ることを心がけ、少しずつ現場の雰囲気も変化していったように思います。先代社長から事業承継を打診されたときは戸惑いもありましたが、抱いていた思いを実現させようと決心し、2016年に代表取締役に就任しました。
当社は「プチプチ®」で知られる気泡緩衝材をはじめ、時代に合わせた多彩なプラスチック製品を開発・製造・販売しています。最近では、プチプチ®の兄弟である軽量硬質ボードの「プラパール®」を使った新型コロナ対策製品も製造。事業を通して、取引先様や地球環境、社会に「喜び」を提供するため、500人を超える社員が目標を同じくするよう導くことが私の役割です。経営理念を実践に移す方策を常に探求し、社員と共に一つずつ形にしていくことが、会社経営の面白さといえるでしょう。2020年には「人と地球に【喜び】の創造と提供を」というビジョンを掲げ、会社の一体感を高めつつ日々の業務に励んでいます。
学生時代の経験によって培われた
会社経営に必要な視野の広さと
あたらしいことに挑む姿勢
大商大は何事にも挑戦しやすい環境が整っており、私も社会保険労務士の資格取得を目指したりTOEIC®の勉強をしたりと、さまざまなことにチャレンジしていました。周囲にも同じような学生が多く、常に良い刺激を受けながら4年間を過ごせました。学科の学びで特に印象に残っているのは、「交通経済学」の授業です。ここで学んだのは、問題の原因を探るためには思い込みや目の前のことだけにとらわれるのではなく、広い視野から現象を見つめる必要があるということ。会社経営においても、常に複数の仮説を立て万一の事態にも慌てず対応できるよう準備を整えており、大商大ではそうした経営の基礎的な考え方を養うことができました。
現在も新しい事業や取り組みに挑戦しており、2020年にはリサイクル事業部を発足。既にプチプチ®全体の80%以上に再生原料を使用するなどリサイクルには以前から注力していましたが、事業のさらなる強化を図り、地球環境・社会に配慮した持続可能な企業活動を続けていきたいと考えています。大学で過ごす4年間は、夢の実現に向けて経験を重ねる大切な時間です。学びや友達との交流を通して、自分は何が好きか、何をしているときに喜びを感じるのかをじっくり考えてください。あらゆるものに触れて気づきを得られれば、思いもよらない可能性に出会えるはずです。
(2021年取材時)