「新世界を勝ち抜く人の思考と行動、社会が求める人材育成に関する助言」 | 講演会レポート | 大阪商業大学 総合交流センター

講演会レポート

「新世界を勝ち抜く人の思考と行動、社会が求める人材育成に関する助言」

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株式会社オリエント
代表取締役社長
二宮 英樹

 今日は、私の経験とか或いは結構海外に行ってますので、その辺で見たこととかの情報をいくつか皆さまにお届けしようかなと思います。
 実際、今どんなことをしているかと言いますと、サイバー犯罪捜査での、ナレッジフォーラムの団体をつくって、一応インターポールとかFBIといったところに、考え方とか、マネジメントフレームワークの話をしています。この間、一般社団法人のビジネスアナリティクス研究所という、AIとか、データをビジネスにどういうふうに生かしていくべきなのかという、そのやり方を教える団体をつくったり、色々なことをさせてもらっています。オリエントという企業は、始めてまだ5年目の若い会社ではあるのですけれども、基本的に大手の企業に対する、或いは、セキュリティの企業に対するコンサルティングとか、サービス提供をやっているような会社です。あとで少し話しますけど、私も日本に帰ってきてから、大塚製薬とかでずっと働いていまして、今は、そのグループ会社の社外取をさせてもらっているというようなかたちで、色々と社外的な仕事はさせてもらってますし、海外のイベントとか、或いは団体とかも、少々関わっています。
 今までの活動の中で、簡単なところで言うと、例えば、ウズベキスタンの大学とかで講演したり、サウジで石油鉱物資源の講演をしたりとか、結構そういう機会を色々いただいてます。専門は、テクノロジーマネジメントインビジネスといって、ビジネスの中でテクノロジーをいかに使うのかというのの専門です。なので、一応ガバナンスとかマネジメントの有資格もありますし、そういったものを含めて、アカデミックと実践の両方から、色々なことを押さえて、お話をさせてもらってるというような感じになります。
 先ほどちらっと言いましたけど、サウジで1時間で講演したのは、多分日本人で初めてって言われているんですけれども。やはり向こうは、世界3位の大きな企業ですけれど、そういったところは官民で組んで、世界中から有識者を集めて、色々と情報を吸収して、中に展開していくというようなことをやっているのに呼んで貰ったというのは非常に名誉でした。やはりそういったところに行くと、いい話、いい質問ができると、そこでまた新しいネットワークができて、まだ私が知らないようなことを教えて貰えたりとか、そこから新たなチャンスが生まれるということがあり、積極的にチャレンジをして、実績を残していくということをやってきています。
 華やかしい世界では、最近メタバースとかWeb3.0という話がありますけれど、今、ヨーロッパとアメリカと日本で、CEビジネスメディアというフォーラムの団体で、そういうテクノロジー表彰のイベントをやる団体で、そこのメンバーに今、入っていまして、審査員として、こういったちょっと華やかしいイベントで、世界の新しいスタートアップとか、活躍している戦略投資家、企業側のバイヤー、ソリューションを買いたい人たちとかを繋いでいくネットワーキングなどを積極的にやらせていただいてます。今年に、アジアのそれの代表を拝命することになりまして、来年の4月には東京で、アジアメタバースアワードということで、日・韓・シンガポール、あと、マレーシア・インドネシアとか、合わせたところから色々招聘して、20賞ぐらいの表彰会を行うというようなかたちの活動もさせてもらっています。
 国内では、DBICというデジタルビジネス・イノベーションセンターがあるんですが、ここのアドバイザーもさせてもらってまして、今、味の素とか、DNPとか、ANAさんとかJALとか、結構有名な会社がありますけど、ここに対して、色々そのビジネスの目線から、テクノロジーのいろんな話をさせていただいてます。グローバルの視点から見て、AIの活用事例がどうなってるのかとか、そういう講演とかもさせてもらってます。結局、みんな、アカデミックなアプローチとか、技術的なアプローチで、テクニカルな話をするのが結構日本は多いのですけど、それをどうやって実装するの?という話がやっぱりできてないのが大きな問題で、企業は他社事例がほしい、或いは、どういうふうにすればそれが実装できるのかという話が結構欠けているんで、そこを補佐するというようなことをさせても貰っています。
 一つ言えるのが、日本の人たちの特徴で決定的に問題があるのが「それ使って一体何しようとしてるの?」という質問に殆どの人が答えられない。これ、企業でもそうです。企業って、あたかも何かAI使って、どうのこうのってニュースでやってますけど、「あなた、何やりたいの?」って普通に聞くと、答えられないっていうのが実際なんです。なので、結構、目的意識を持って物事を進めるというのは非常に重要であるということを、改めて、皆さん、若い人たちに色々と指導される立場の方には、積極的にそこを考えることをしっかりさせてあげてほしいなあといったところです。
 その観点で、違うイベントをやっていて、これ、アインシュタイン一族のアインシュタイン君です。友達なんですけど。こういう世界的に有名な人、彼はアルジャジーラとかBBCとか、そういうとこで毎週イベントで講演をしてる人なんですけど、そういう人たちを呼んできて、実際のグローバルのケースとか。こういう人たちになかなか繋がれないと思うので、そういうのを引っ張ってきてみんな紹介して、いい質問ができたら、仲間に入れたりとか、そのネットワークでいろんな新しい情報が得られるようなネットワーキングっていうのをお手伝いしてたりします。もともとのここの、大塚製薬に入ったのは派遣から入っていますし、皆さんは教員免許を持ってますから、大学を卒業されていると思いますけど、私は卒業してません。なので、四苦八苦して色々なことを頑張りまして、大塚製薬でもヘルプデスクから始めましたけれど、10年で役員になりまして、そのあと独立して大手企業に対するコンサルをやっています。今、ヤマトのデジタル変革推進室とかのコンサルとか、野村総研とか。野村総研の経営向けサイバーセキュリティ基礎講座というプログラム、内閣官房の人らが書いているのですけど、それの3章の部分もしっかり僕が書かせていただくという。名だたる人たちとか、有名な人たちの中に、紛れ込ませていただくような機会をいただけたりとかしてる部分もありますので、その辺まで、どういうふうに僕が考えてきたのかっていうとこで。もうそれ、自分の経験もそうなんですけど、ほかの経営者とか、ほかの戦略的にこうやってきた人たちのアプローチとかを見て、どういうポイントがあったのかっていうのを、今回まとめさせていただいておりますので、何か参考になればというところでございます。
 日本的に見た時の状況と、日本の企業の問題点みたいなところを、日本と海外の目線を少々織り交ぜながらお話をさせていただくのと、実際に、中小企業のところからというのを、少しベンチャーというようなかたちで置き換えて、彼らがどういうふうに頑張ってるのか。それに対して、全体的に大きい企業とかは、どういう動きをしてるのかとか、その辺の社会的背景といいますか、このテキストを少しお話しさせていただいたうえで、では実際に勝ち抜く人とか、その伸びていってる人たちは、どういう考えとか、どういう行動をとってるのかというのに少し触れていきたいなと。最後に、一般的に客観的に、色々な人たちと話をしてる中で、教育を主たる生業としていただいてる皆さまのような方々に対して、こういうふうにやっていただいたら、きっとその次の世代の人たちは助かるとか、こういうところをきっと欲しいと思っているんだよということをお伝えできればなと思います。
 一番初めに、その求められる人材像ということで、グローバルっていうのがもう、言い方を変えると、ボーダーレスみたいなかたちで、フラット化されたっていうのは、長らく良く使われる言葉ではあるんですけど。そこに向かって、これから若い人たちが飛び出していかないといけない。GAFAみたいなものもありますけど、結局そういう、日本だけでも食っていけるんだけど、結局は世界の波の中にあるので、そういった社会の中で、どういうふうに振舞っていけば、彼らは将来的に活躍できるんだろうかっていうのをすごく考えているっていったとこです。私の企業とかでもそうですけど、社長より全員の従業員の給料を多くしているというのがうちの会社の特徴でして。それぐらいやってでも、要は、人に対する経験をするためのお金を出したりとか、考えさせるっていうのをやってます。そういった姿勢を持って見せてるところから、彼らはどういうふうに何をくんでくれるのか、自分たちを正しく評価してもらえているかというふうに考えるところだったりとか、そういったところを結構注視してます。
 とは言え、人の行動を促すとかっていうのは結構あるんですけれども、その中でも、私も含めてなんですけど、自分自身がその教養とか倫理感をしっかり持って、後進に対してどういうふうに考えていくべきなのか、道しるべとなるような行動ができるのかというのを常々戒めながらやっているわけですけれども。その中で結構、極めて重要だったのが、今置かれてる社会の状況をニュースで聞いてるレベルではなくて、実感してる内容で実情を的確にある程度みんなに教えてあげる。ここは危ないよ、みたいな話から、ここはうまくいくよ、みたいなところまでやったりとかは、やっぱり必要かなあと思ってます。
 ちょうど今、最近漸く、昔、人事は殆ど人事の話だけにしか、いわゆる管理するという話にしか説かれていないんですけど、色々な世界を見てて、ほぼ人事といいますか、育成、人に関わるところが、組織においても、事業においてもですけど、最大のボトルネックになっていることも見えてますし、そこが鍵だろうといったところは見えてますので、人をどういうふうに育てていくのか、何の示唆ができるのかというのは、極めて重要なのかなといったところです。実際そういったところを、海外の連中は良く分っていて、日本だと専門の教育者ということで、アカデミックな経験を基に、その先生がされてると、職業として行われてるというのが、ほぼ、海外でどんなことをいってるか。これ、シンガポールの友人でもあるんですけども、元世界銀行のCIOです。こういったバックグラウンドの実務経験を持ってる人が、彼も50歳ぐらいでドクターを取得されたのですが、それを取って大学に帰ってくる。そのシンガポールマネージメント大学に彼が所属しているところでは、ほぼ8割の人が実務経験者です。ですので、実践、あるいは実体験に伴った具体的なケーススタディをその教育カリキュラムとともに説明するというようなものを国策としてやってます。彼らは、結構それがすごくて、トップ3の大学は、殆どそういう感じです。2年、3年、それらの教授をやったら、実業にまた戻って行く。所謂その社会経験とともに、若い人たちに興味を持ってもらえるような話が、実際のところ裏話みたいのを含めてでしょうけど、やってるというようなところです。
 私はあの時に、向こうで、アメリカに行った時に起業を実はしてまして、それで大学行くのをやめています。日本に帰ってきて、28歳ぐらいの時に、実は慶應大学に入っているのす。だけど、それも仕事が忙しすぎて、途中でやめてるというようなところも実はあるのですけど。このテクノロジーも、どんどん日進月歩でバンバン変わる世界の中で、今までのやり方だけやっていこうとすると、やはり情報が足りなかったりとか。経験は一応、抜群についたなという自信はあるのですけども、それでも改めて、他とシェアできるような状況であるのかな、どうなのかなとかっていうのを考えたり。ウズベキスタンで講演させてもらった時に、私以外全員ドクターを持ってるので、私だけ学識がないみたいな、そういった状況もあって、もう一回学び直ししないと駄目だなということで、今、実はドイツの大学に行ってます。ドイツの大学に行ってるのはいいんだけれど、どんなカリキュラムになってるのかというのがポイントで。ただ、データサイエンスやりますとか、情報セキュリティやりますとかって、そういう専門単位ではなくて、技術のオペレーションをやるというよりも、そのテクノロジーをたくさん跋扈してる中で、どういうふうにそれを扱うと、上手にビジネスの中に実装できるのかとかっていうような観点をしっかり押さえてるようなカリキュラムができているというのは、海外の特徴です。特にここの大学、私はオンラインで全部できる必要があったので、唯一選べたのがここだったのですけれど。プログラミングから、ホームから、ビジネスから、コンプライアンスから、プロジェクトのマネジメントとか。普通だったら、これの1本が専門になるものを、広範囲において学ぶというような流れになってきてるのが、海外のテクノロジーマネジメントの教育カリキュラムの特徴です。
 要は、日本でテクノロジーの教育というと、コンピュータサイエンス、情報システム学科、そういうかたちで、全然変わってないと思うんですけど、海外はこれぐらい変わってるということです。なので、外のこういった動きもしっかり捉えて、自分たちの教育のカリキュラムはどういうふうにやるべきなのかっていうのは考える必要があるのかなといったところです。
 日本って、今、30年間停滞してるとかって言われると思うのですけども、私が特に、日本は好きだし、今、子ども6歳のがいて、すごいかわいいんですけど、この先どういうふうな教育をしていくべきかと考えた時に、結局、最後、本人がやりたいことをやると思うんですけど、私が決めてる6つのポイントというのがあって、日本というか、日本の経済、これは海外も含めるのですけど、どういうふうな状況になっているのかと。日本は、やはり安全は、飛び抜けて一番良いと。そういった雰囲気の話をさせてもらったりしますし、これ1個、重要なことだと思ってて、もう一つは、生き抜く方法として、やっぱりこれからの世界を見ると、英語とテクノロジーというのはしっかり押さえなきゃいけないなっていうので、全部教えるってわけじゃないけど、ポイントで彼らが興味を持ってもらったり、理解が深まるような、その軸を入れる。でそれが結構重要かなと。ほかにはサバイバル力とか、企業であるとみたいな話もありますけど。或いは、人に対する時の立ち振る舞いとか、こういったところを教えていくのが大事かなと。
 後は、内的な話よりも見聞を広めろということで、世界見てると、やはり色々な大人になれば哲学とか文化の話しますけれど、兎も角、色々ことを見て、経験して、理解が進めば、そういったところのお話も、海外の人たちとするうえでは興味を持ってくることになると思うので、とにかく外に行って、色々なものを見なさいと。その違いが何だろうっていった時に、リベラルアーツ的な勉強をしてもらったら、多分わかってくると思うので、国際的活躍して欲しいというような。
 後は、メディアの怖さです。メディアは使えるのですけど、一応認知バイアスっていうのがあるという話だったりとか。そのネガティブポイントとかをしっかり捉えながら、どううまく活用するべきなのかというリスクマネジメントのところ。最後、この心を守るといったところは、結局、どちらかというと、メンタルがやられないようにするための心構えみたいなのに近いのですけど、安全装置のつくり方とか、そういったところをしっかり教えて、転びながらでも進んでいけるような人材になってほしいといったところをすごく考えています。最後は資産形成です。お金のつくり方とか、そういったところが十分重要なポイントかなと。何をしろというよりも、こういったところをしっかり押さえてあげることで、彼らが色々なチャレンジをしていく中で、転けながらでも進んでいって成長することを促すというのが大事だろうというふうに思っています。
 海外のところでは、色々とあるんですけれど、日本人と海外の違いは、ここに5つの視点というのがあります。日本人も結構真面目にやってる人はいるのですけど、母数で言うと、圧倒的に取っかかる熱量が全然違う。取りあえず、日本人って、全部石橋たたいてみてみたいなところがありますけど、向こうの人たちは、兎に角やってみようみたいな、Fail Fastという考え方がありますので、しっかりやっていくっていうのと、日本では学歴社会と言いますけど、隣の韓国だともっと学歴社会ですし、世界を見ていても、私、国際会議に何個か出させてもらっていて、国際会議で学持ってないのは、今まで見たのは私だけで、殆どみんなドクター取ってきたりとかする。どの専門を持ってやっているのかというのを証明することは、やはりアカデミックコンテキストを持ってるというのは非常に重要なので、そういうのをやらないかと。私はそれができてないので、生涯学習の一つとしてそれを取り組んでるというようなところです。
 日本とか韓国では、一生懸命勉強するとか、一生懸命働くとか。どちらかというと家族とか、自分の時間を犠牲にしつつあるのですけれど。欧米の人たちは、どちらかというと、自分たちのことを先にやって、自分たちの家族と過ごすとか、色々ところに旅行に行くとか、そういった時間をしっかり取るというとこがありますから、そういったのを僕は学びとして、その精神的な豊かさと書いてますけど、そういった人間的に豊かになるような時間の取り方っていうのをしっかりするのがいいのかなと思います。後は、海外の方は結構愚直にといいますか、結構素直なんです。取りあえずやると決めたらずっとやるとか。だから、こういった違いのところを押さえて、何かもし外国の人たちと触れ合って感じるとこがあったら、「いいところは取り入れてみよう」というふうにして動くのがいいのかなというふうに思っています。
 海外で見てきてる中で特徴的なのは、ウクライナの会社です。私も付き合いがありますが、ウクライナの会社のテクノロジー会社で、ここはエンジニアが今2,000人いて、戦争が発生しても、プロジェクトがひとつも止まってない、すごい会社です。普通戦争とかがあったら、もうそんなところじゃないから、プロジェクトとか海外とかでお仕事もらってても困るでしょう。でも、彼らは一切困らないんです。「今、上、空襲になってるから、ちょっと1回防空壕行く」みたいなぐらいのレベル。彼らのチームっていうのは世界中にいて、でも、この会社は何がすごいのかって、そんな中でもそれぐらい回せるようなスキームをつくっているっていうことと、それを支える人たちの頭の良さというのは抜群にいい。それを裏付けする会社の中には大学みたいなものをつくっていて、従業員教育というのを鬼のようにやっていると。従業員の85%が修士で、7%がドクターで、70%が英語をしゃべれるようにというところなんです。だから、組織をオーガナイズしている。そういったポイントもあるんです。だから、これ果たして日本の企業と比べてどうかというところです。
 残念ながら日本は、IMDとか、OECDの中で最下位っていわれるぐらい低いです。韓国とか抜かれて。シンガポールとか、去年とかトップだったのかな。上のほうというのは、殆ど人口が例えば1,000万人以下の小さな国なんです。だから、それだけ機動力があって変えられるというところはあるんだけれども。先週はデンマークとかに仲間が派遣されていて、私もシンガポールにたまに行きますけど、マネージメントの大学に。そこへ行って話を聞いて、先生だからって話を聞いてみると、やっぱり学校のスキームの仕方、シラバスのつくり方、その辺含めて決定的な違いを色々学べることがあるので、もし何かそういう機会があれば、海外を見るとか、そのカリキュラムの違いとかから、いいところを取り入れるというふうなことをすればいいのかな、なんていうふうにちょっと思うところです。
 先ほど日本はって言いましたが、ここにDX的な文脈にはなるんですけれども、結局、弱いのは人材とか、仕組みの部分とか、スピード感とかなんです。日本は元々、工業的に言うと、製造ラインをやったりとか、技術とかは優れている。世界で、GDP 3位みたいなところがあると思うのですけど、実際にはそんなことはもう世界でなくて。こ毎年毎年順位が落ちてるというのが日本の状況です。もっと細かく見ると、デジタルのスキルとビッグデータ。63位と、低くなってきてるのです。これが実際の日本の置かれてる状況です。何でこうなってるのかというのは、先のデジタルビジネスイノベーションセンター、DBICとかの代表理事の方が東京海上日動の元社長なのですけど、そういう人たちと話をすると、2つの問題点があると。その1つは、大きな企業を中心になのですけど、彼らは、今までの高度経済成長期に得た資産のおかげで、生きていけるのですと。国内の資産で。だから、余りプレッシャーを感じてない。変わる必要性を余り感じてないと。今までの先人のお陰ですと。だけど、これが故に、豊かさに慣れて。所謂その悩みとか、今やるべきことというのは、もう一段階、もう二段階と掘り下げて、どういうふうにするべきかと考える力が結構失われてるというのを感じているというのと、それはいけてるから、国外に出て戦ってる企業は別ですけれど、殆どのところは世界から遅れてる自覚というのをやっぱり感じられないところがありますので。なので、世界に学ぶ意欲、学ぶ力というのも、そもそも失ってきてるというふうな課題がある。こういったところは、結構いろいろ、過去30年の話もあるけれども、それらを反映させて何か対応しようなんていったところは、実際にアカデミックなレベルでは見えてこないというのがあります。もっと重要なのは、メディアがそういうところを余り指摘しないというのが、もっと大きな問題なのかなあというふうに思っています。
 実際その構造が、どういうふうなかたちで行われてきたかというと、私は本当に、今、70歳、80歳、60歳の方たちもそうですけれど、すごく尊敬してて、日本をこれだけ良くしてくれてありがとうというふうに思っているのですけれど。私、実際に大塚製薬もそうですけど、大企業の今、コンサルを沢山させてもらっていて、60代、50代の人は「粘土層」という言い方をするのですけど、頭打ちになっているような傾向をすごく見ることがある。何かというと、何をしようとしてもやらないし、否定するし、リスクを取りたがらない。ここの表であるように、先人の何もないところから切り拓いて、自分、裸一貫で頑張ってきたような人たちの薫陶を受けてる人たちとか、それらを見てカッコいいと思ってた人たちは、やっぱりやる力があるんです。それを見てるから、自分たちもそうありたい、そういうふうにしようというふうに。私も実際、それを大塚製薬の中で見てきてます。それの薫陶を受けて、自分もそのようにやれば、うまくいくんじゃないかという、チャレンジをしたリスクの取り方。リスクを取っても、責任も面倒見てくれたりとか、色々なことがありますけれど、そういうのをやってきたので。でも、大きいところになってきて、質実剛健になって、結構動きが遅いなあというふうに思ってる会社さんとか見させてもらってると、もう上の人たちが何もしないというのは、やっぱりよくある話。最近テレビで有名な方がいらっしゃるけど、彼が何かめちゃくちゃなこと言ってますけどでも、でも、外れてないなというのが正直なところ。一方で、若い、今の20代に差し掛かってる人たちと面する機会も結構いっぱいあるのですけど、半分ぐらいは諦めて、半分ぐらいはやる気がある。でも、その半分のやる気のある人たちが、どうやればやれるのかという環境が整ってないというのは、今、結構問題かなと思ってます。それが起きている状況は、僕ははっきり、「経営者とリーダーの責任です」と言い切ってます。本当に、上の人たちの利権みたいな状況になっていて、それをやっぱり外されたくないから。だから、「どいてください」と私は平気で言いますけど、そういうことを結構やってます。いつまでたってもだから、彼らの今までの成功体験とか、うまくレールできてるところから新しいチャレンジしない。もう思考が固まってるってのは結構あるので、あとはもうメンバー変わりたくないとか。逆にもう、最後もうちょっとで逃げ切りだからという人も、よく話を聞きます。そういったところは上手に、分かる人たちは、尊敬の念を見せながらでも対応をしなきゃいけないのかなあというふうに思います。私、自分で今、経営してますけど、引き際というのをすごい考えてて、いつになったら自分のポジションを誰に渡すのかなど、もう既に、まだ起業して5年目の若い会社であるのですけど、そういうことを考えてたりもします。優秀な企業は、経営者というのは、基本的に、次の代にどういうふうに紡いでいくのかというのを必死に考える。それは結構重要だったりもしますね。なので、そういったところをしっかり考えていかなきゃいけない。それを責任放棄してるっていったとこに、こういった問題があるところは皆さんに知っておいてほしい。
 一方で、これを海外で見た時に、何が違うのか。私、今、大塚製薬とかでもロボットをやっていて、色々中国のフォワードXという会社とかやってるんですけど、経営者全員30代です。日本の大企業とかの経営者とかって、まだ50代、60代、70代みたいなのが、やっぱり今、依然として変わってないと。スピードは遅いですね。中国とか、速くて成長してるところは、30代ぐらい。32とかで、こういう100億ぐらい投資してもらってる企業のCEOだったりします。実際、これが世界の状況です。これが、その数が全然違うんです、母数が海外だとこういう企業が本当に100どころじゃなくて、1,000、2,000というふうにあって、頑張っている。今、日本がどんどん落ちてるって言いますけど、こういう企業が跋扈してる中で戦ってるということをよく分らないといけないんです。だから、戦略的に国がどうしろとか、お金がある企業はどうしろというのはありますけれども、自分たちが、少なくとも置かれてる世界の状況というのは、こういうことであるといったところです。だから、今、日本でうまくやってる方々は、外資に働きに行くというのは、そういうことなんです。今、テクノロジーをネジメントしないといけない中では、理系も文系もなくて。マネジメントなので、それを何だか分からないけど、テクノロジーで技術しかやってない人に、いきなり上にいって、人をマネージしろみたいな話になったりとか、そういう問題とかもいっぱい起こしてるんです。社会は、いろいろ新しいものが出てきて変わっていってるにもかかわらず、振り返ってみると、教育のところもそうかもしれませんが、何よりも、その組織の人事制度というのが全くもって変わってないというのが見てとれると。殆どが、目標が、どちらかというと、キャリアアンカー理論といわれる、目標を立てて、数年かけてやっていきましょうと。こんな速い時代にそういうやり方をやっている。あとは、日本のところでは、スキルとか技術にフォーカスが行き過ぎて、何をしようとしても、目的が明確じゃないとかってさっき話があったと思いますけど、そういうことはあると思います。今度、目的が決まった時にもっと問題があって、それを達成するのには、どういう技術とか、どういう能力がないとできないのかという、そういうのを特定しないという問題がある。誰かに取りあえず抜てきしてやってもらう。それ、悪くないんです。もっと成功率を上げようとか、沢山プロジェクトを起こしてうまく進めていこうと思うと、それを達成するには、どういう人材、どういうスキルが必要なのかというのをよくよく考えないといけないんだけど。日本ではその議論が欠落してるという問題があるのです。その能力を支えるための、ここの人のスキルはどういうものが必要なのかというのが分っていれば、どういう技術を備えておかないと、向こう5年のテクノロジーとか、向こう5年のビジネス戦略に必要な能力が確保できる、できない、というところが明確になってくると思うんですけど、こういったところが実は見えてないような状況です。なので、所謂その人材、そういう企業戦略とか、そういう考え方に基づいて、どういう人を調達しなきゃいけないか、どういう教育をしていかないと、これから企業は勝てないかっていったところの検討があまりにないので、こういったポイントは、後進を育てていくその先生方にもよく知っておいていただいて、何かそういったところの示唆、こういったことがあるから気を付けなよ、というのを若い世代に言ってくれるだけでも全然違うと思うのですけど、そういったことが、やってくだされば幸いなのかなあというふうに思っているところです。
 振り返ってみますけど、最近、どういったところに、大学を卒業して社会に出る人たちが働きたいかというと、日本ではやっぱり、いまだに大きい会社で、遅い会社が多いです。東大、京大の人たちも、働きたいところは、こういったかたちで。結局日本のところでも大きいところが多いです。ベンチャーとかに行こうみたいな人は結構少ないのかな。シリコンバレーの連中は、大学を出て優秀なやつは全員ベンチャーに行くという、実はこういう行動、全く逆です。今、野村総研さんが仲いいというか、私、コンサルしてるので、伺ってます。これ言っていいって言われてるんで言いますけど、10年前までの新人の離職率が10%だったのが、今、現在20%になってます。なぜならば、人事制度みたいな問題もありますし、環境の硬直化ということで、若手が、もうやってられないというか、未来がなかなか見えてこない。実際努力しようとしてもいけないということで、ほかの企業に転職していくというようなことが起きてるというのは彼らの課題。その殆どがここに出てる大きい会社の若手が辞める問題の最大点は、組織の構造改革が進まない、デジタルトランスフォーメーションができないというところがあります。皆さんのところから生徒が育っていく時に、そういったとこはあるけれど、大きいところで安定というのはあります。だから、給料もそうだし、解雇されないという、海外に比べたらすごいいいとこがあるので、それは別にプラスとして捉えてもいいと思います。自分たちがほんとに目指すものがあったりとか、やりたいことがあった時に、チャレンジするという環境で、それは正しいとこなのか、どうなのかというのは、よくよく考えろというメッセージは出すべきだというふうに思っています。それでも、少々違うところの視点があるので、そこは共有させてもらいます。
 一方で、そういったところに飽き飽きしている人とか、そういった大きいところに勤めても、「やっぱり」って思う人たちが、ベンチャーに飛び込むといった時は、どういうインダストリーに行くのかというのは、ここの6つの世界です。今、一番人気なのが、やっぱりクラウドのサービスの事業者です。SaaSビジネスって言われるものだったりもするし、いわゆるAmazonのAWS って言われるようなものとか、マイクロソフトとか、そういったサービスの企業のとこも指しますし、あるいはソフト開発の会社とか、あるいはAIとかビッグデータを使う会社、あと、ロボットの会社、最近はやってるWeb3とメタバースです。あと、こういった生成AIとかChatGPTみたいな、分かりやすいツール会社、こういったところが人気です。今までその年功序列的にといいますか、頭の、ガラスの壁って言われてる、時間がたってもなかなか昇進もできなければ、機会ももらえないし、責任も持たせてもらえないみたいなところから、やっぱり自分が全力で責任感を持ってやらないといけない世界に飛び込めるといったところで、一生懸命やるというところの世界に行くことも、やっぱり増えてきてます。アメリカとかヨーロッパに比べたら、投資は、0が1桁、実は小さいぐらい、本当はここをもっとかけて頑張ってもらわなきゃ困るんだけど、実はお金があんまり集まってないという実情はあるものの、それでも先ほどのような大きいところとか、そういった社会的な状況に対して懸念を表してる若手の人たちは、そっちのほうに向かって行ってるというような流れがある。だから、是非こういった人たちは、本当にサポートしてあげなないといけないですけど、実はそこまで、なかなか社会は、サポートができてないというのが実情です。大手の中でも、海外の売上比率が高い会社っていくつかあるんです。私が一番仲いいところでい
うと、コニカミノルタさんとか、売り上げの50%は海外です。なので、日本のマーケットも当然見てるんだけれども、日本の経済がシュリンクしていくという状況下では、海外での売り上げをしっかり上げると、海外でやっぱり勝てていく企業にしなきゃいけないというふうな認識を持って、彼らは進めてます。なので、150年という長い歴史があるにもかかわらず、彼らは積極的にチャレンジをしてるという代表的な企業です。要は、さっきの日本だけの売り上げで、日本だけで行っている大きい企業だと、変わる意義とか、変わるモチベーションが上がってないんですけど、こういった世界に向けて出てる企業は、それの反対でチャレンジをする。要は、こういった企業であれば、社内チャレンジとか社内ベンチャー、リスクも抑えた状態で会社のお金で頑張ってチャレンジするという機会が得れるかもしれない。選ぶんだったらこういう会社がお薦めです。一方で、同じようにでかくなったIT企業とか、日本にあります。そこってやっぱり国内のプロジェクトベースです。いわゆる1案件終わったら終わり、システム構築したら終わりみたいな、こういう短いサイクルでやっているので、トラブルがあろうが何しようが、一応売り上げができればそれでいいみたいな感じのところは結構あります。逆に、そのコニカミノルタみたいなような会社というのは、150年やって、いろんなDXを追って、サービスで、例えばプリンターが弱くなったりとか、あっちの事業がよくなったりとかする中で、企業を伸ばしていかないといけない、先10年、先20年見て、どういうふうにシード、いわゆる新たな種をつくるのかというのは、すごい研究してる。それでチャレンジもするし、お金もあるから、投下して失敗も織り込みながらやっていく。だから、失敗に対する許容もあるんです。にもかかわらず、一方で、IT企業のようなところでは、実は、ゼネコン構造です。60%ぐらいを会社が取って、40%ぐらい従業員に渡すみたいな、そういう構造。胴元がいて、孫請け会社ぐらいまで色々いると思うんですけど、その構造を見ると、儲かっているのにおのずと見えてくるものがある思うのです。実はITを使って頑張ろうとしてる会社の中でも、こういった2つの側面の企業が出てきているというのが、皆さん知っておかないといけない。進路を相談する時とかに、この裏を知っとかないと、彼らにひどい目にあう可能性があるということを知っていていただきたいなと思います。ITの企業の1つの構造です。日本はゼネコン構造なので、建築も...。私の実家が工務店なのでよく分ってるのですけど、そういうゼネコン構造的な話をすると、やっぱり平成に入って、分業をすることでお金を結構みんなに回して潤わせようというような取り組みがあったのかと思いますが。結局、結果として儲かったのは、この上の、胴元になってる大きなベンダーだけでした。下のところの給料を見てくださいと。例えば、富士通さんとかみたいなところの人たちの給料はそこそこかもしれません。IT企業の中ではそうではないのですけど。でも、一般的に日本で言うと、給料高いです。でも、それから、下請けしてたり、孫請けしてるような企業のITの人たちの給料はどれぐらい違うのかというのを数字的にいうと、大企業のSIとかだと、月150万と言われてます。企業の1人当たり150万と。でも、ソフトハウスとか、その下請け、孫請けになっていくと、それが70万とか60万とかになります。そこからどれぐらい手元に入るのかって考えると、下のほうが、実は非常に手元に残るのが小さいというのは、数字から見て分かると思いますけどそういう状況です。本当に汗かいて頑張ってるのは、その下の人たちであって、上の人たちは現場監督みたいなんだけです。余りその現場監督ができて、指示がしっかりできる、トラブルの対応がしっかりできる、それだったらいいんですけど、実際はそうではない。結局、「やっといて」みたいな、そういう状況が結構多いのが実情なんです。いつも疑義を感じるところではあるんですけれど。「IT企業へ就職したら結構もうかるじゃん」みたいな話はよくあったりとか、「そこに行ったらいいんじゃない?」とかと言うけれど、もし、皆さんの生徒の人たちが、目指してるところが、何か発展的に頑張るためにやってるテクノロジー企業やったらいいけれど、下請け、孫請けみたいになるようなテクノロジーや、そういうビジネスモデルだけでいいみたいなところに就職しようと、それ、先はないというふうに。
 さっき、コニカミノルタ、私も実はサポートしてるんですけど、DNPとNRIが共同出資して合弁会社ということで、日本で、海外のその優れている技術をそのままやると。いわゆる今までのITの大きな企業のカウンターになるような取り組みを一生懸命やってて、こういった海外と戦っていこうとかっていって、アンテナ持って一生懸命やってきた人たちだからこそ、こういった今の業態のおかしなところに、くさびを打ってやっていくことができるという話と、日本の今までの諸先輩方の薫陶を受けた人たちですので、日本製造業の黎明期とかの頑張ってる人たちと同じように、こういったところで一念発起して、業界を変えるんだというふうな取り組みをなされている方もいらっしゃいます。
 今までのがコンテキストみたいなかたちで、最後に少し、勝ち抜く人の思考と行動について触れておきたいと思います。もうここからは、殆どポイントになります。
 私も気をつけていたのが、この4つのポイントでして、結局、まず、何でもチャンスが来たら、率先垂範でやるというようなこと。そのチャンスが来たなら、ことをなす前に、もう徹底的に段取りをして、うまくいくようにする。準備するというのもそうだし、リスクというのがあるから、もうありとあらゆる思考を巡らして、何か、たまに独り言を言ってしまうこともあるんですけど、講演とかの練習とかもそうかもしれませんけど、そういうので失敗のリスクとかを下げるだけじゃなくて、話の道筋が立つように、ストーンと自分の中で落ちるように何度も何度も繰り返すという段取りやる。あとは、やるって決めたら、もうあとは最後まで兎に角やりきるというようなことと、それをやって進めるだけのこの熱量、「プラスワン」と私は言うんですけれど。もう絶対的な熱量が必要なので、この4つが非常に重要だと思ってずっとやってきました。ずっと私、23歳ぐらいから、いろんな本を読んだものをエクセルにまとめていって、最終的に一番上流に来てるのが、このポイントの4つであったということと、あと、社会的に成功している人たちとか、色々な人たちとお話をさせてもらうんですけど、やっぱりこのポイントは変わらなかったということなんです。これがないと、事業を起こすにしても何にしても、実はできないというのがあって、どれかが欠けてても、大体うまくいかない。ここの中には、アカデミックバックグラウンドは実は含まれないんです。ただ、これをうまくやる意味で、その専門性とか、その技術だとかをしっかり持ってることというのはやっぱり重要になってくるんです。海外は、これがあるうえに、アカデミックなものを付けて、その専門領域で戦うというのが今のスタンダードになってきてるというようなところです。ただ、こういった準備ができても、こういう準備だけでうまくいく人っていうのは、結構営業によくいるんです。営業で余りみんなに、「賢くはないけど、あいつ、何かめちゃくちゃやるから結構仕事取れるんだよね」というのはよく聞く話で、それの基本コンポーネンツはこれなんです。そこにもうちょっと頭が付けば、どうなるかって、もっとできるという話なんです。そのために勉強とか、アカデミックなアプローチというのは、非常に重要になるというようなところです。ただ、熱量とか、そのやり方が分ってても、あさっての方向に行ってれば全く役に立たないというのも知っておいて欲しいなといったところです。成功するためには、絶対的に欠かせないのは、それに対する熱量があっても、それが企業の法人と同じように向いてるという方向性付けだったりとか、或いは、自分はこういうふうにしたいとかっていうその方向が、自分の行動とバラバラになってればそれは効果を発揮しないのです。それを上手にまとめる時のやり方というのが、実はこのイノベーション。IMDの教授だと思うのですけど、提唱してた名前、内容と一緒です。これ、いわゆる察知力みたいな感じ。日本語で言うところのものです。まず、その物事の方向性を決めるという前に、何かいろいろ考慮することって出てきます。これこれ知っておかないと。色々考えたうちに決めるってことで、決めたらどんどん行動する。そのサイクルを速くするというのとして、スピードというのが重要だと思うのです。その決定をするという前に、10個考える項目があって、2つしか考慮してなかったらどうなるか。残りの8個というのは結構重要なもので、無視してたら、違う方向に導かれたりすると、結論として、ということがあるので、そのあるものに対して考慮するべきことは何なのかというのを、まず1回洗い出せという話をします。考慮することが明確にある程度出てきてたら...。それ、ものすごい時間をかけるわけじゃないです。例えば10個、これは押さえておかないといけないという中で、全部が完璧じゃなくてもいいんです。これを考えてみたけど、あまり重要じゃないといって落とすというのも1つだし、しっかり考えて、これを軸に考えようというのもありますし、少なくとも無視するというのもあるんです。だけど、この考慮するべきことを、全部考慮してないと、やっぱりその方向性を立てるという意味では、納得感というか、皆さん、認識とか価値観の異なる人たちを集めた時に、方向性があさっての方向になってしまうので、そういう共通認識、「関心が重なり合う」という言い方をするんですけど、「これらの項目を考慮した結果、これで行こうと思うんです」というふうな話をもっていけるような組み立てをする。これ、実は企業に入って、このやり方でいくと、結構勝てます。何故かというと、みんなは自分たちの頭がいいはずなのに、考慮するべきことを落としてるというケースが結構見受けられるのです。こういったポイントを押さえていきながら、その意思決定をするというところ。意思決定をする時には、その上の人を巻き込んだりとか、周りの人たちを巻き込みながら、あるいは根回しを含めてなんですけど、そういうことをやっていくことで、きっちりコンセンサスが図れるという。それに熱量とか何とかっていうのがあれば進むというわけです。これはみんなやってます。間違いないと思います、これは。後は、もうスピードだけの問題にはなってくるのですけど、そこはしっかりやっぱり押さえないといけないです。海外では今、Fail Fast って言われてて、失敗してもいいからバンバンやれという流れになってる。それ、裏の言い方をひっくり返すと、日本ではPDCAをきちんと準備して、計画して進めていく、チェックしてもう一回やるという流れがあると思うのですけど、Fail Fastの考え方って、ひっくり返したら、これを超高速でまた回してるだけなんです。なので、そういうやり方になるように、皆さんのほうが仕向けていただければいいのかなというようなところです。
 日本人はこういうふうにやっていくべきだと、こういうフローのやり方あるのですけど、残念ながら、考えることを放棄というか。委託をするという行為だったりとか、外部のパートナーにお願いをする時に、考えるところが企画まで全部投げて、稟議待ちみたいになってる人が多いのです。だから結局、みんなが自分で、自分事化して考えないというのは結構増えてきていますので、業者にものを頼むのはいいんだけど、考えるのはあなたの責任ですよと。自分たちでどういうふうに持っていきたのか、何をしたいのかという明確に目的化をするようなところというのは、やはり自分たちがやるべきであって、かつ、そういうことを考えられる人をチームの中心に置くということが、とにかく重要になってきます。
 これ、実は後で、今、話している内容がどれぐらいできてるのか、できてないかってアセスメントツール。私がつくってるので、どうぞやってみてください。
 最後の方になってきましたけれど、勝ち抜く人の思考、さっきの考え、熱量とかそういったアプローチに対して、考え方としての方向性を組んだ上で、今度は組織の中で、やっぱりしっかりするというのはここの3つに集約されると思います。経営者というのは基本的に、限られてるリソースのものに対して、どういうふうに優先順位を出して、何をやるのかと。こういう攻めと守りのバランスを決めていくという、これが一番最小限の判断になります。なので、結局ビジネスのこの考え方に戻して、整合性、戦略上何をしたい、どうしたいという絵を持っているのかとかという関心事と、現場の関心事を結び付けるという必要があるのが結構重要なところと、もう一つは、変えられないことの議論をずっと現場はしてるということがあるんです。なので、今、目の前にあるもので、変えられるものは何か、取っ掛かりができるものは何かというところに目を付けて、そこから優先的に行動するのがやっぱりいいだろうと。一連のストーリーを、シナリオを考えて、それにくっ付けて、どういうふうに分かりやすくするのか、どうやったらみんなに共感いただけるのかというのをやる。最後は、さっきの否定の話になるのですけど、行動せずに、評論家にばかりになってる人たちが多いので、そういうふうにはならなくて、自分で汗をかきなさいというのをしっかりお伝えいただきたいなといったところと、後は完璧にまで仕上げて報告しようと思って、報告に行ったら、「違う」って言われるので、もう6割とか、言っても4割とかでもいいと思うんです。できたら上に相談して、方向性の確認を取るということは極めて重要なので、頑張ってくださいといったところをお伝えするべきです。そういう考え方で、僕は、自分の人生をキャリアでなんか一生懸命考えてきたというよりも、このように一生懸命やるという過程の中で、偶然起きたチャンスとかを手に取って、何とかやってくるというのをやってきてます。それを平たく考えていった時に、振り返ってみれば、キャリアアンカー理論みたいに目標を立てて、それにまい進したというよりも、その目の前のことに対して一生懸命取り組むというやり方をやってきたんだなあと。よくよく見て、キャリア会のフェイスブックができた時に、もともとやってたものがそのままできたのか。テクノロジー企業とかでも多いのですけど、やってる過程の中で気づいたものが、ほんとのビジネスになるとかっていうことがやっぱり多い。決して否定はしませんが、それを全てとして考えるというよりも、偶然、僕らはこれ計画的偶発性理論という言い方をよくやってますけれど、たまたま起こるべくして起きたこととか、偶然起きたことを、最低限活用してやるというようなやり方をしっかり考えるというのは、非常に重要なのかなというふうに思います。それが、偶然でいいチャンスが巡ってくるように、さあ、いかにどうやったらいいのかなあというのは考えるべきであって、とにかく行動してみないことには結果が出ないので、やってみようというふうな流れにもっていただけるのが一番いいのかなというふうに思う次第です。
 リーダーのところは、そういったところで、組織の中で活躍する人たちには2つのミッションがありますってことだけ押さえておいて欲しい。それは、新たな価値を生み出すということで、DXとか売り上げを上げるとか、新しい事業をつくるというところと一緒に、今までの価値が毀損しないように、リスクへの対応、セキュリティをやるというそのリーダーシップのところが結構重要ですという話。後は、これは自分がそのリーダーを張るには、知っとかないといけないことで、それを周りの人、あるいは上の人たちが、この観点でサポートしなきゃいけないということです。
 日本の教育とかの殆どの部分は、この技術とかの話に戻ってきますけれども、やっぱり現場のオペレーションに即したところの勉強が多く、アカデミックなところも多いかと思います。でも、テクノロジーがこんな感じで、例えば、従来やってきたことがオレンジで、新しいインダストリーが増えてきて、さらにビジネスとの兼ね合いが増えてきて、多岐に渡るようになってる中では、一つずつの技術というか、5年ぐらいで枯れて使いものにならなくなるので、それを一生懸命勉強するのはナンセンスであろうと。色々新しいものが台頭する中で、それを上手に活用していくためには、それらをどうやったら上手に扱えるのかというマネジメント視点を養うという必要性があります。そういったところのマネジメントというのは、これからは非常に重要で、それをできるようにする人たちを確保する、或いは採用するというのは、今後の極めて重要なポイントになってくるかと思います。これは、今までの教育をよく見たら、優秀な作業員を育成する教育で、或いは、統括するマネージャーを育成するようなカリキュラムではないというのが、こういう流れから見ると分かるかと思いますけれども、実際今の社会では、企業の中でもこういう人たちができる人がいないので、今からそういう目線を持って教育、或いは、頑張ってもらう人たちがいれば、会社の中に入っていった時に、活躍する機会が沢山出てきて、どういう状況であれ、彼らが頑張っていただけるのであれば、組織の中で昇進していくことが容易になるであろうといったところで、私がやっているような教育、これはさっき言いましたけど、そういうふうなやり方というのを考え直してもらったほうがいいのかなあといったところで、マネジメントの育成が重要であることを示させてもらいたいと。
 最初の一歩として皆さんにお伝えしたいことは、後進の人たちに、何ができるのかっていったところをしっかり今、考えてくださいということをお伝えしたいのです。何がしたいのかというのを、若い人たちだと答えは直ぐ出ないし、企業だって出ないんです。でも、今できるベストのところが何なのかというとこから頑張ってもらう。あとはそれが、やることがどういうふうなところで家族や社会に影響するのかとか、そういう、認められるようなことになって、やっぱり大人になっていけるというふうに思うので、こういった観点をしっかり押さえてもらうのが重要かなと。後は、先生方もそうですけど、やっぱりやってる人たちにエネルギーをフォーカスしてあげる必要もあるのかなと。全員を何とかするというのもあると思うのですが、学校のところは、私も少々分からないので何とも言えませんけど、やっぱり一生懸命やる生徒には、その機会を与えるというのを積極的に実はやって欲しいなといったところ。アンドリュー・カーネギーが『富の福音』という本に書いてますが、是非これを読んでいただければ、その辺のポイントがよく分かるのかなと思います。我々、最後にプロフェッショナルな大人として彼らにやれることというのを本質的に教えるのは、厚い資料を集めるだけではなくて、若い人たちは、自分から学んでいくと思うので、そのリスクにどういうふうに立ち回っていけばよいのかとか、上手に対処する方法とかを教えてあげたりとか、先人の知恵とかいうのを積極的に教えてあげるのが、我々ができることではないのかなと。後は、もう経験です。チャンスが来た時に、さっきのようなことは「やれ」と言うしかできないし、やらせることはできないので、ああいう話はするのですけども、結局それでできる、実際の経験を積めるような機会を、いかにして用意してあげられるか。そういった、私みたいなんでよければやりますけれど、そういう大人とかと直接話をして、若い時だったら誰でも会えるので、電話して大臣に会ってる人たちもいるんで、そうやって会って、いろんな人の話を聞いて、成長する機会をいかに積んでいくことができるのかということが結構重要になるのかなと。後はもう、さっきの話みたいに、視野を広く見せるために外に出るというのもそうだし、ハイパー演出的なところ、方向性のところをしっかり教えてあげなきゃいけないというようなのが、結構重要なポイントになるかと思います。
 今回、万博のプレのところに、もう既に私らのサービスで採択されているので、積極的にお声掛けしていただければと思っています。
 最後になりますが、人材育成に関する助言としては、やっぱり実務経験でシンガポールの話もそうなのですけど、やっぱり結構重要なので、いかに実務経験してる人たちの話を聞かせられるのか。自分たちがそれを提供できなくても、やり方ってきっとあるでしょうから、素晴らしいこういう機会をやってるのと同じように、みなさんのところで積極的にやっていただければ非常にいいのかなと。でも、われわれ、サラリーマン的に大人だったりするので、いろいろと社会の中で難しいというようなこともありますけれど、それはちょっとさておいて、やっぱり子どもに対しては、少し彼らは彼らなりの考え方があるだろうから、それを結構尊重してやってあげることと、自分ら自身が、やっぱり率先して行動してないといけないかなと。その社会に向けてどうやるかとか、外の情報を集めて、それを周りに共有するとか。自分がやってないことは、多分、言っても響かないと思うので、そこを何か行動として変えていただくことが、教育をする人たちに頑張ってほしいところだとずっと思ってます。あと、大人でみなさんが理不尽な状況の中で、色んな経験があるから唯一できることというのは、社会って平等じゃないんだよというところを直接言うわけではないですけど、そういった時に、横に寄り添って相談してあげられる。「社会って、こういうもんなんだよ。だけど、こういうやり方で抜けてきてる人たちがいるよ。こういうふうな方法をとれば、上手にできるんじゃないのかなあ」というようなことを教えていただくことと、最後は熱意を持って薦めるといったところで進めていただければいいのかなといったところです。

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