授業の事例紹介
起業教育研究会「最終審査ノミネート校による取組み事例紹介」
Pick Up Lesson Vol.101
起業教育研究会
最終審査ノミネート校による取組み事例紹介
東京都立芝商業高等学校 主任教諭 池田 宏史
1 応募の動機
①同僚から声をかけられた。
②応募の時期が指導上、ちょうどよかった。
→ 夏休み明けは、だらけがち...
③学習指導要領解説商業編の科目「課題研究」にも、「各種コンクールへの参加を促したり...」とあり、よい機会と考えた。
④応募要項 ... 応募しやすい設定になっていると思います。
《募集するアイディア》
自由な発想で考えられた独自のビジネスアイディアを募集します
例えば...
1.世の中を楽しくさせる新しいサービスや商品、ショップについてのアイディアと、そうしたサービスや商品をたくさん売るため、ショップを多くのお客様に利用してもらうための工夫。
2.地域の特徴を生かした特産品(みやげ品)や商店街、地場産業の活性化を考えたアイディアとその工夫。
3.ボランティア、非営利活動、コミュニティビジネスなど、社会に目を向けたアイディアやそれを具体化するための工夫。
4.環境、福祉、健康を切り口に、社会に貢献する新しいビジネスについてのアイディア。など
2-1 課題研究に向けて
2-2 本校の「課題研究」
• 生徒は各自、興味・関心や学びの必要性でテーマを設定
※商業科の学習内容と関係ないテーマを設定している場合は、教員が軌道修正を促す必要あり
• 教員は生徒の取り組みの進行を管理したり、毎授業時間をコントロールする係
• よって、教員は教科書の内容、理論等の講義はしない
• レポートと発表の指導とスケジュール管理が教員の仕事
• 2年次に学習したフレームワークを使い、ビジネスプランを作成している生徒がほとんど
2-3 本校の「課題研究」の大まかな流れ
• GW前後を目標にテーマを設定
(生徒が一番苦労するところが、授業がスタートしてすぐにやってくる)
• 1学期 期末考査前にゼミ内中間発表
(ここにビジネスアイディア甲子園を入れて引き締める)
• 10月末の文化祭で発表
• 2学期 期末考査前にゼミ内最終発表
→ 試験明けに発表会、ゼミの代表者が発表
3年全員...よい内容のものをシェア
2年全員...次年度に向けて
• 3学期はレポート作成
3-1 科目「ビジネスアイデア」のおおまかな流れ
• 1学期 アイデア発想法・フレームワークを学ぶ
• 2学期 企業の方に課題を設定してもらい、市場分析を行う
9月生徒に課題を発表
11月中間発表(アドバイス)
• 3学期 アイデア提案
1月大学生に発表(アドバイス)
2月クラス内発表→ 全体発表(アドバイス)
3-2 科目「ビジネスアイデア」授業の流れ
①5分間のアイディアトレーニング
②ツールの紹介→ 解説→ 事例紹介→ ケーススタディ(個人・グループ)
※担当者は、授業の準備だけでなく、単元ごとの提出物の点検、評価等、かなり苦労していることがわかりました。
3-3 使用したビジネスツール(一昨年度)
①マインドマップ
②ブレインストーミング
③KJ法
④ミラクルワードカード
⑤4P・4C
⑥STP
⑦ペルソナ
⑧価格戦略・損益分岐点
⑨3C分析
⑩SWOT分析
⑪FABE分析
⑫カスタマージャーニーマップ
4-1 ビジネスアイディア甲子園に応募して
(私の中の)参加生徒全体の印象• 過去の表彰されたアイディアから学んだり、外部の団体に提出することで緊張感をもって学習に取り組むことができた。
• 日常の生活の中でなんとなく通り過ぎていく物事や時間について、注意深く見たり考えたりしようとするようになり、気づきが増えてきたように感じている。
4-2最終審査に残って
• 最終選考の連絡とともにアドバイスをいただき、それをもとに、発表内容の修正を指示
• プレゼン資料と映像の撮影について、打ち合わせ
• 協力してくれる先生探し
(生徒と打ち合わせをした後、自分には手に負えないと思ったので、助けてもらいました)
• 最終審査の予行演習として、ゼミ内の発表
• 放課後の居残りに付き合う
• ときどき様子を見に行って、気になったところを質問する
4-3 感想、その他
•感想... 応募しやすい
•最終審査に残っているものについては、審査員の先生方のコメントがWeb上にあがっているとありがたいです。
(生徒にどうコメントしたらよいか、いつも悩みます。専門性の高い大学の先生方のご指摘から学んでいきたいと思っています。)