研究科紹介
学位論文と研究
- 地域経済政策専攻(博士前期課程):修士論文
- 地域経済政策専攻(博士後期課程):博士論文
- 経営革新専攻(修士課程):修士論文
- 経営革新専攻(修士課程)[特別教育研究コース(IRマネジメント)]:修士論文
地域経済政策専攻(博士前期課程):修士論文
東大阪市における文化力
その現状と発展の条件
東大阪市の文化力について、文化に関わる市民活動そのものを文化力と定義し、まず東大阪市の歴史的背景と現状を確認した。その上で東大阪市文化連盟所属団体にアンケート調査を実施した。その結果、文化連盟以外の団体との連携が少ない、活動場所の偏りが見られる、新規メンバーの獲得に苦労している、活動のモチベーションや意欲は高い、高齢化が進んでいるなどの結果を得た。その結果と分析を踏まえ、提言としてまとめた。
訪日中国人の観光行動の動向についての研究
―若年層の奈良に対する嗜好に着目して―
中国人若年層観光客による大都市以外への観光の可能性を探るため個人ビザ解禁後著しく訪問率が増加し、またSNS再生数も上位にある奈良市に着目し誘致策の方向性を導きだした。中国人若年層の嗜好と奈良市の観光PRの方向性が一致しており、地方都市も発信内容や発信方法を工夫すれば中国人誘致客の可能性があることを示した。
インドネシアにおける中小零細企業支援の仕組みの革新:支援組織の民間非営利組織への転換
インドネシアの中小零細企業は、経営知識不足などから様々な問題に直面している。このような中小零細企業の発展を視野に、支援する仕組みをどのように革新すれば良いかを研究課題とした。文献研究、インタビュー調査、施設等の見学・ヒアリング調査等を用いて、民間非営利組織の活用や金融支援、能力向上支援システムの革新などについてインドネシアの東ジャワ州スラバヤ市と大阪府大阪市の比較研究を行い、新しい中小零細企業支援の仕組みを提案した。
ベトナムの中小企業支援政策と地場中小企業の誕生についての研究
ベトナム地場中小企業・裾野企業に対する日本のODAの支援向上のためには、ベトナム経済の状況とそれを取り巻く国際経済環境を調査・研究する必要がある。本論文ではベトナム経済のなかにおける地場中小企業ならびに中小企業政策の現状を明らかにし、その成長に果たすJICAの役割についても言及している。
制度と現実をめぐる中国大学寮の葛藤について
中国において、高等教育の大衆化、所得格差の拡大などの社会変容を受けて、エリート教育下の全寮制は、新生代学生のニーズとの間に種々の葛藤が生じている。本論文は、その内在を明らかにし、市場経済が進行した現在の中国において、大学寮の在り方について改善試案を模索した。
経済発展と中国農村住生活様式の変容について
本論文は、中国農村の住生活様式の変化に着目し、所得水準・家族構成・価値観の変化などを踏まえて包括的に考察した。独自の調査を通じ、居住環境や住生活様式の変容について、洋風化が進行していることの詳細を明らかにしている。
中国における高齢者福祉ビジネスの将来像について
―日本型福祉ビジネスから学ぶもの―
本論文は、日本企業による中国での高齢者福祉ビジネスに注目したものである。中国での「上位中所得層」を視野に入れた介護ビジネスの必要性を指摘し、またこれまでの日中合弁企業の実情を分析したうえで、日本型モデルを参考にしながらも中国人のニーズにあった多様なサービスの提供を目指す必要があることを示した。
北京市の郊外型大規模住宅団地に関する研究
─回龍観を中心に─
北京市では、経済発展に伴い、都心居住の過密が問題となり、その問題を解消するために政府が郊外に住宅団地を開発した。本論文は最大の郊外型住宅団地・回龍観について現地調査をふまえてその現状と課題を分析し、千里ニュータウンとの比較を通じて、北京市の団地は高齢社会への対応が不十分であるなどの問題点を指摘した。
地方大都市における環境政策のあり方についての研究
─日中の比較を通して─
持続可能な社会の構築に向けて、環境負荷の小さい都市経済システムに着目した論文。環境経済学を分析視角として、ヒートアイランド現象を中心に日中の都市を比較分析している。都市化の進展している中国において経済発展と両立しうる環境政策について提言を行った。
ECFAと台湾経済
2011年に台湾と中国で締結されたECFA(経済協力枠組協定)の成立過程を明らかにし、ECFAが台湾経済に及ぼす影響を考察している。著者が台湾で行ったインタビューをふまえ、日本では先行研究が少ないテーマながら資料を渉猟し、分析を行った実証研究。
小規模経営の存立維持に関する一考察
─東大阪市における鋲螺製造業を事例として─
東大阪に多く集積している鋲螺製造業を営む小規模経営事業者の生き残り策を考察しているもの。業界の特徴や歴史と、著者が行った丹念なヒアリング調査を基にして行った分析は、小規模経営事業者の存立維持の可能性が示されている。
ベトナムの日本直接投資誘致政策について
─裾野産業育成の観点から─
この論文は、ASEAN諸国の中でも我が国と関係の深いベトナムに進出した日系企業の抱える問題点に対して、ベトナム政府が実施している日系直接投資誘致政策への提言を行っている。特に中小企業を中心とした裾野産業の育成という観点からこの問題にアプローチしたもの。
まちの活性化と住民意識の活性化
都市の住民が交流を通じ地域課題の解決に向けて協働する中で、住民意識を活性化させ、まちの活性化につなげていく過程を事例に基づき検討し、活性(化)の意味やまちの活性化と住民意識の活性化の関係を考察し、真に活性化したまちといえるための要件と指標を提案した。
現代都市における祭りの役割
―天神祭を中心として―
人間関係が希薄だと言われる現代の日本で、なぜ何百年も祭りが続いているのか、また祭りの何が人を引き付けるのだろうか。著者は中国の都市づくりへの示唆を汲みとろうと、「大阪天神祭」や「岸和田のだんじり祭」に関する現地調査や関係者へのインタビューを行い、祭りの魅力や地域社会における祭りの役割について分析した。
市町村保健師の専門職性と政策形成への参加
専門職の「専門職性」と「専門性」の概念を検討した上で、全国の市町村保健師に対する独自の意識調査を踏まえ、市町村保健師の専門職性についての認識と勤務実態を分析している。市町村保健師が専門職性を発揮しつつ政策形成に参加するための課題とその解決方策を考察した。
日本における炭素税導入に関する一考察
地球温暖化傾向が進み、一国での対応や対策では環境問題の解決は不可能な時代を迎えている。日本の従来型環境対策(特定地域における直接規制と補助金の併用)では、今日の環境問題に対応できないとの考えから、その論拠と今後の環境対策を考える上で必要な考究を、ミクロ経済分析を用いた先行研究の検証から行っている。
中国における商業銀行の不良債権処理についてのー考察
─日本における不良債権処理を参考に─
AIIB開設やIMFによる人民元の主要通貨の採用など国際金融における中国の影響力は高まっているが、政治・経済の特殊性に対する懸念は依然大きい。この論文は、中国の金融システムに内在する潜在的なリスクは増大しているとの認識の下、日本のバブル崩壊後の不良債権処理過程を参考に、中国の不良債権処理対策について検討した。
地域経済政策専攻(博士後期課程):博士論文
経営戦略論からみた中小企業のダイバーシティ・マネジメント-外国人労働者を中心として-
本論文は、中小企業が外国人労働者を雇用する際に、外国人労働者を経営者自らが率先して育てていくことの重要性を明らかとしたものである。すなわち、「外国人労働者の雇用を企業成長に結びつけるマネジメントとは、経営者の変革型リーダーシップによる組織風土の変革と、企業活動の変革をともに牽引することである」という仮説を、定量的分析、定住的分析によって実証したものである。中小企業が外国人労働者を雇用するときに、多くの示唆を与える内容となっている。
近現代大阪における雑菓子業界についての研究
著者自身が菓子業界の発展に長く携わってきた経験を活かし、大阪の雑菓子業界の歴史をまとめ、その意義を見出した独自性の高い論文である。これまで全く調査研究がなされてこなかった大阪の雑菓子業界について、業界新聞などの関連資料に基づき、およそ100年間におよぶ業界の歴史的変遷やその社会背景を示すことに成功している。
カジノ価格をコントロールするための心理的・確率的要因の解析と手法
─マクロ価格とミクロ価格─
カジノは近年、日本への導入が期待され活発な議論が行われているが、ビジネスモデルとしてカジノを分析している先行研究は日本にはほとんど存在しない。この論文はカジノにおける価格がどのように決定するかについて確率論や期待値といった数学を用いて説明し、カジノ経営の収益構造を明らかにすると同時に、心理学や行動経済学などを用いて人々がギャンブルに動機付けされるメカニズムを分析することで顧客が主観的に感じる価値を明らかにし、「カジノにおける価格とは何か」を考察している。
都市型産業集積の新展開
─東大阪市の産業集積を事例に─
鋳物・伸線・鋲螺などに代表される東大阪の産業集積の特性を明らかにし、都市型産業集積の新しい方向性を模索・検討している論文である。特に、産業集積地として国内では東大阪市と並び称される、東京・大田区との比較を通して構造的特質を抽出し、中小企業の生産構造の観点から東大阪の産業集積地としての可能性を提示している。
自動車交通と都市構造に関する計量分析
自動車交通はガソリン消費による地球温暖化や大気汚染などを通じて環境への負荷が大きい。1987年に環境と開発に関する世界会議が提唱した「持続可能な発展」を基礎として交通の環境的な持続可能性に焦点を絞り、大阪都市圏をモデルとして仮説的な再都市化政策を自動車交通との関係で検討を加え、持続可能な都市交通政策について論究している。
都市における水辺空間の再生
―岡山市西川緑道公園を中心に―
我が国の大都市圏アウターエリアにおける郊外化の進展とその課題
―京都府京田辺市・精華町・木津町を事例として―
地域資源を活かした地域産業政策の展開
―大阪府の地域分析を中心として―
中国における巨視的な地域経済発展政策に関する研究
―京津冀地域(北京市・天津市・河北省)からなる首都経済圏を中心に―
日本および台湾における二大都市の都市像について
―国土の均衡ある発展を見据えて―
移行経済下におけるヴェトナム国営企業の労働者意識
―中国企業との比較から見た政策的インプリケーション―
カジノ影響と地域住民態度の研究
東北アジアの近代国家形成における朝鮮民族の役割
―中華人民共和国と朝鮮民主主義人民共和国創設を中心に―
21世紀初頭における中国朝鮮族人口の流出状況
―延辺朝鮮族自治州・龍井市三合鎮の事例研究―
経営革新専攻(修士課程):修士論文
日本製造業におけるスピンオフに関する研究
―親会社との関係を中心に―
ベンチャーが少ない日本では、多くの識者はスピンオフの創出が日本の産業活性化に大きなメリットがあると指摘している。したがって、本研究は日本製造業のスピンオフに注目し、スピンオフを成功させる要因を明らかにすることである。本研究では、先行研究を整理し、これらからいくつかの示唆と研究課題を導出し、5つのスピンオフの成功事例と一つの失敗事例を分析することにより、日本製造業におけるスピンオフ企業の成功要因を探索しようと試みた。
中国ファミリー企業の事業承継と後継者育成に関する一考察
本論文は、初代創業者たちから子息である二代目、三代目への経営交代時期に直面する中国のファミリー企業の事業承継と後継者育成に関して、事例研究に基づきながら実態と課題について考察している。後継者育成やスムーズな世代交代、今後の課題について、事例研究のみならず種々の先行研究や日本のファミリー企業との比較を行うなど多面的に洞察し、明確な問題意識のもと結論を導き出している。
ベトナムのコーヒー市場の競争分析に基づくカフェチェーンの事業開発について
ベトナムは世界で2番目に大きいコーヒー輸出国であり、コーヒーの生産量と多様性という点で他の生産国よりも利点がある。また、今後の経済発展により、所得が増加し、嗜好品に対する需要も増えるものと予測される。このような理由から事業への投資、特にベトナムのカフェチェーンの市場開発は将来的に大きな可能性があると考えられるが、カフェチェーンという飲食業の展開と成功のためには、利用する消費者ニーズや、競争実態を分析することが何よりも重要であるとした。
ベトナムにおける日本型コンビニエンスストアの現状と課題
―ファミリーマートを事例として―
ベトナムファミリーマートを事例として、ベトナム資本の代表的コンビニチェーンである「Vinmart+」と比較しながら、日本型コンビニのベトナム小売市場における現状を分析している。そして、ベトナム消費者の行動様式や嗜好を踏まえ、また台湾ファミリーマートの取組みに学びながら、今後の経営課題を提示した。また、ベトナム政府の小売店出店規制であるENT(エコノミック・ニーズ・テスト)の下で出店戦略について考察している。
モンゴルにおける鉱山開発事業と外資政策
―オユトルゴイ・プロジェクトをめぐって―
本論文ではモンゴルにおける多国籍資源企業とモンゴル政府の外資政策の歴史的経過を追うことで、多国籍企業と受入国政府との相互関係におけるモンゴルの特徴を、過去の同様の事例と比較しながら検討・考察している。取り上げる事例は、モンゴル鉱業における最大のプロジェクトである、オユトルゴイ鉱業事業である。
日系中小企業の経営現地化に関する考察
―ベトナムにおける事例研究にもとづいて―
本論文ではベトナムの日系中小企業を対象に、経営現地化の実現可能性とその方策を検討している。日系中小企業4社の、本社と現地子会社の双方の社長に複数回インタビューを行い、経営現地化を実現するための要素を指摘した。
わが国における相続課税方式の研究
本論文では、わが国の相続税制度の歴史的経緯をたどるとともに、各課税方式の特徴を詳細に検討し、現行の課税方式が計算的に複雑であること、現在の家族形態にうまく適合していないことなどを指摘している。各課税方式の比較や分析を、独自の計算例を作成したうえで、分かりやすい形で示した論文である。
中国の「汽車交易市場」に関する一考察
この論文では、中国の自動車流通における特徴の一つとして、様々な形態の販売業者が集積する「汽車交易市場」に注目し、現地での調査によって実態を明らかにするとともに、その現状と特異点を分析している。さらに今後の発展についての示唆を述べ、独自の提言も行った論文である。
日系ソフトウェア企業の対中オフショア開発と人的資源管理
著者が従事している日系ソフトウェア企業での知見を活かし、対中オフショア開発と中国人の人的資源管理の在り方を論究したもの。文化や商慣習の異なる中国での人材活用と効率的な対中オフショア開発について5つの提言がなされた。
日中中古車流通システムの比較に関する一考察
―オークション・システムを中心に―
この論文は、中国における中古車流通という、これまで殆ど研究されてこなかった分野をテーマとしている。中国国内で中古車を効率的に流通させ、しかも公平で公正な販売を行うためには、オークション・システムの果たす役割が必要不可欠であることを理論と実践の両面から論証した。
外国人の日本居住及び旅行のためのホームページ事業
─新事業の創造とビジネスモデルの検討─
著者自らが構想している新事業のビジネスモデルを先行研究の検討に基づいて考究したもの。著者の留学経験を活かした外国人向けのホームページ事業について、ツーサイドプラットフォームを基礎にした成功報酬型のビジネスモデルを提案している。
日系グローバル企業の戦略的人的資源管理について
経済のグローバル化の進展に伴い発生した問題点として「現地適応」と「グローバル統合」が挙げられる。この論文では、日系グローバル企業のコマツ(株式会社 小松製作所)を分析対象として、グローバル化における戦略的人的資源管理を考察している。
中国における高級ホテル企業のマーケティング
─外資系と民族系ホテルの比較研究─
マーケティング論の立場から、中国本土の高級ホテルを2つのカテゴリー(外資系ホテル業と民族系ホテル業)に分け、マーケティング・ミックスの比較分析をおこなっている。中国以外にもシンガポール、イギリス、ロシアなどで著者自らが実施した現地ホテルの経営層・従業員・顧客への広範なインタビュー結果が活用された。
中国におけるトヨタのマーケティング戦略に関する考察
─Bセグメント市場での問題点を中心に─
中国の自動車市場でボリュームゾーンを形成するBセグメント(排気量1000cc~1600ccクラスの車両)市場における、トヨタ自動車の低迷をマーケティングの手法を用いて分析している。この論文ではトヨタのマーケティング上の問題点として、少ない車種、割高な価格、販売店の構造が指摘された。
アリババグループの発展とビジネスモデル
中国最大のeコマース企業へと成長したアリババのビジネスモデルの革新性と、その発展経緯について分析したもの。アリババの成功が創業者:馬雲の確固たる経営信念と、中国全土の消費者と取引企業に安心と利便性を両立する取引場所としてインターネットを活用したことが指摘されている。
中国の携帯電話端末産業におけるドミナント・デザインとイモベーターとの関係
中国で山寨機と呼ばれる携帯電話端末のコピー品が誕生し、世界中に拡散した背景とその経緯を考察したもの。中国の携帯電話端末業界に焦点を当て、違法な山寨機の製造から出発したメーカーがどのように世界規模のメーカーに成長したかを明らかにし、中国企業の国際化を分析している。
資生堂の中国市場進出戦略
―2段階修正(日本→中国大都市→中国中小都市)による現地適応化―
資生堂を事例に、日系企業による中国市場進出戦略について研究されたもの。日本で構築されたマーケティング戦略がいかに中国に移転され、また中国の流通チャンネルや消費者特性に適応する形で革新されていったかを、グローバル・マーケティング戦略における「標準化」と「現地適応化」のフレームワークに基づき分析している。
キャッシュ・フロー会計の研究
長期不況から抜け出せない日本において、近年キャッシュ・フロー重視の経営が注目を集めている。この論文では、キャッシュ・フロー経営を実行するための会計上の仕組みについて全般的な考察をおこない、関連法規についての著者の見解・提案が示されている。
日本型コンビニエンスストア・システムのタイへの移転と革新
─タイのセブン‐イレブン(CP ALL)を事例として─
日本で構築されたコンビニエンスストアの運営システムのタイへの導入について、セブン-イレブンを事例に挙げ分析している。都市部と農村部の所得格差、屋台調理品を自宅で食べる「中食」文化、物流システムの未整備など、タイでコンビニエンスストアを展開する課題をどのように解決し現地適応していったかを明らかにしている。
ベンチャー企業の成功のための戦略
─シャオミによる成長・発展戦略に関する研究─
ベンチャー企業の起業家活動と成長・発展させる競争戦略の視点から、中国で急成長しているベンチャー企業であるシャオミのケース分析を行った論文である。シャオミ急成長の要因として、起業者・雷軍のアントレプレナーとしての特性と、2つの差別化戦略(ビジネスモデルの差別化と価格の差別化)であると結論づけている。
経営革新専攻(修士課程)
[特別教育研究コース(IRマネジメント)]:修士論文
日本のIR産業における人材確保・雇用創出の重要性
IR産業は各巨大集客施設の集合体であり、職種も多岐にわたる。そこで本論文ではIR産業における雇用創出に着目し、諸外国の事例を踏まえながら重要性や必要性に関して説明している。「雇用」を検討すべき最重要事項と定め、採用・教育、職位・組織制度、賃金等について検討している。
日本におけるカジノ・マーケティングの在り方
―VIPセグメントの重要性―
本論文では、カジノにおける多様なマーケティング手法を多く記述・分類したうえで、将来、日本にIRが稼働すると考えた時、どのようなマーケティング手法を採用すべきであるかを考察している。カジノ運用の方向性の一端が示された論文である。
IRの地域共生に関する考察
IRの地域社会における関わり方や有るべき姿を論考した論文である。従来の産業とは異なる地域へのコミットメントや地域コミュニティーとの共生が重視される中で、諸外国の事例等を参考にしつつ、IRの地域貢献の在り方や共生の在り方を独自の視点でまとめた。
夢洲IR実現に向けて
この論文では、統合型リゾート=IRの誘致による政策的な意義や価値が体系的に記述されており、また大阪・関西において実現する意義を現状の把握に基づいて考察するとともに、実現のための提言が述べられている。観光・ビジネス・地域貢献等の観点から、夢洲IRを実行しうるプランを緻密に設計し、提示した論文である。