フィールドワークゼミナール
近藤祐二ゼミナール
フィールドワークによる観光関連企業と地域の連携
(フィールドワークゼミナールⅡ)
近年、人口減少や少子高齢化が進む日本の中で、観光客獲得による地域への消費の増加、関連産業の振興、新たな雇用創出による地域の活性化といった経済的効果、並びに観光客の増加に伴う観光客と地域住民の交流や地域に点在する資源や文化・伝統の見直し等といった社会的効果という理由からも観光が注目されています。しかし、観光現象を考察した場合、観光地へのリピート率が増加することにより、ありきたりの観光経験では満足しない「観光客のニーズの多様化」、観光地に素晴らしい観光資源を有していてもその資源の見せ方・伝え方を知らない「観光資源のマーケティング戦略」、外国人観光客が増加することにより、言語や文化の壁、日本人とは異なるニーズへの対応が迫られる「外国人受入」といった課題が存在しています。そこで、このフィールドワークゼミナールでは、大学外でのフィールドワークを通じて観光地や観光関連企業の魅力向上の方法、マーケティングの提案方法について学びます。実際に企業の社員や地域住民から現在抱えている問題点を聞き、学生自らが問題解決を模索することにより、学生の企画力・提案力を身につけることを目指します。
奈良県葛城観光・観光関連企業の現状、並びにマーケティングの提案プロジェクト
奈良県葛城市は弥勒仏塑像をはじめとして、多くの仏像・仏画・曼陀羅等,国宝・重要文化財指定の寺宝を有している「當麻寺」、飛鳥の都と難波を結ぶ古代の道で推古天皇21年(613年)に開通したことが「日本書紀」に記されている「竹内街道」、相撲の開祖『當麻蹶速』にちなんで建てられた相撲館「けはや座」といった観光資源を保有しており、近隣の大阪、兵庫、京都からの観光客誘致が期待されています。しかし、奈良県葛城市は、地域資源の認知度、観光資源や観光関連企業間の連携、環境変化へ対応できる多様なプログラム等、観光客誘致に不可欠なマーケティング戦略が不足しています。そこで本プロジェクトは、既存研究の整理、現地調査(ヒヤリング・アンケート調査)、並びに現地で開催されているイベントへの参加を通じて、観光客の動向や葛城観光の認知度、既存の観光商品の現状や課題について調査・分析を行い、最終的に観光を推進するためのマーケティング戦略の提案を目指します。
三重県名張観光・観光関連企業の現状、並びにマーケティングの提案プロジェクト
三重県名張市は「日本の滝百選」に指定された赤目四十八滝という観光資源を保有しており、近隣の大阪、名古屋、京都からの観光客誘致が期待されています。しかし、三重県名張市は、地域資源の認知度、観光資源や観光関連企業間の連携、環境変化へ対応できる多様なプログラム等、観光客誘致に不可欠なマーケティング戦略が不足しています。そこで本プロジェクトは、既存研究の整理、現地調査(ヒヤリング・アンケート調査)、並びにインターンシップを通じて、観光客の動向や名張観光の認知度、既存の観光商品の現状や課題について調査・分析を行い、最終的に名張観光を推進するためのマーケティング戦略の提案を目指します。
京都府京都観光・観光関連企業の現状、並びにマーケティングの提案プロジェクト
本プロジェクトは、京都観光と観光関連企業の現状と課題の抽出、並びにその課題解決の示唆を目的としています。当プロジェクトがフィールドワーク先として選定した京都市は、世界的にも有名な観光地※であり 、2014年の京都への訪問回数を見ると、5回以上の方が8割以上を占めています。しかし、リピート客の増加により、京都市内の観光商品の充実と同時に、京都市を中心とした周遊観光や新たな観光商品を模索する必要があります。また、宿泊業における「旅館」が世界においても「RYOKAN」として知られ始めていますが、具体的にどのような宿泊の業態なのかを伝えていく必要があります。さらに,観光客の満足度へ非常に大きな影響を与える土産品に関しても,地元の人が持つイメージと観光客が土産品を通じて抱くイメージを理解する必要がります。そこで、 本プロジェクトでは、京都観光・観光関連企業というテーマに関して、調査・分析を行ない、最終的に課題解決の示唆を目指します。
※例えば、世界で最も影響力をもつ旅行雑誌のひとつ、「Travel + Leisure」誌が行った読者投票「ワールズベストアワード」において、京都が「ワールドベストシティ」ランキングで上位(2014年、2015年[1位]、2016年[6位])に選出された (http://www.travelandleisure.com/worlds-best/cities#overall [2017/2/19参照])。
学外での発表
近藤ゼミナールでは、フィールドワークを通じて行ってきた知見を学外で発表する機会を提供しています。社会人の方、学外の教員や学生と交流することにより、学生自身の「社会的問題把握能力」「社会的問題解決能力」の強化を試みています。また、2016年度は「関西観光教育コンソーシアム学生活動成果発表会(2016年9月9日(金)、阪南大学 あべのハルカスキャンパス)」で研究報告の参加・発表を行いました。